どうもこんにちは、飯野です。
本日は、6月16日付の海事新聞の記事から、「北米西岸港湾の労使交渉、新労働協約でついに暫定合意」についてお話していきたいと思います。
2023年6月16日イーノさんの物流ラジオ
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北米西岸港湾、労使交渉ついに合意
米国西岸港湾の労使である使用者団体側のPMAと労働組合側のILWUは、現地時間6月14日、6年間の新しい労働協約を結ぶことで両者が暫定合意したと発表しました。
1年を超える長期化
2022年5月から始まった米国西岸港湾の労使交渉は異例の長期化となり、直近では組合によるスローダウンもあって港湾機能が一部停止に追い込まれるなど、緊張が高まっていました。
急転直下、労使間で暫定合意できたことにより、懸念された物流の混乱は避けられそうです。
現時点では、両者が暫定合意した新協約の具体的な条件などについては明らかになっていません。
今後は正式な合意に向けて両者が手続きに進むことになります。
新労働協約の契約期間は前協約が期限切れとなった2022年7月1日時点にさかのぼって適用される見通しです。
北米労使交渉の流れ
2022年5月から始まった労使交渉は、当初から難航するのではとの観測が強く、異例の13カ月に及びました。
労使交渉は当初、目立った動きは少なく、ターニングポイントとなる2022年秋の米中間選挙以降も大きな進捗は見えませんでした。
年明け以降、複数の主要項目で労使が合意するなど進展したものの、6月に入ってから一転して労使間の対立が激化しました。
組合による争議などによって、主要港での荷役機能が停止するなど緊張感が高まりました。
最終的に労使は暫定合意したものの、現地の報道によると、「この1週間はストライキやロックアウトの混乱か合意かどちらになるか分からない状況だった」とのことです。
北米東岸へのシフト
13カ月と長期化した労使交渉により、不安定な西岸諸港を敬遠し、荷主が東岸港湾ルートにシフトする動きが目立っていました。
米誌ジャーナル・オブ・コマース(JOC)によると、アジアからの米国輸入コンテナに占める西岸港湾のシェアは、1−5月の期間だけの統計で、2021年の62%から2022年は58.6%、さらに2023年は56%まで減少しました。
西岸港湾のターミナル関係者・事業者の間では、長期化する労使交渉に不満を強めており、そうした空気が組合などへの妥結に向けた圧力になったという見方もあります。
ピークシーズンに向けて
ついに今回の北米西岸の労使交渉が終了となったわけですが、終盤にいざこざがあったものの、結果的には大きな混乱はなく暫定合意に至った印象です。
今年の中国の10月1日の国慶説前は特に問題もなくスムーズに貨物が流れるでしょう。
北米のインフレ
北米のマーケットの需要も、5月の消費者物価指数が前年同月比の4.0%、一時期9%ほどあり、かなり締め付けられています。
インフレが続き物価が高いため、人は商品を買わなくなっています。
そうすると、今年のクリスマスシーズンの輸送需要もかなり抑えられる可能性が高いでしょう。
このままいくと、スポット運賃は下がる一方になるので、船会社は不稼働船を増やし、供給量を調整するという流れになるのではないかと思います。
労使交渉終了で新たなステージか
なんとなく今回の労使交渉の終了がコロナが終わり、次のフェーズに向かう一区切りのような感じが個人的にはしています。
ここから注目されるイベントは脱炭素だと思います。
各社がグリーンエネルギーを使った船を開発したり、次世代エネルギーに投資をしたりしていますよね。
あとはDX化。
イノベーションが起こるようなDX化は僕が知る中では今のところないので、これからの業界の変化は引き続き注目でございます。
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