ロシア・ウクライナ、鉄道、海上、航空サービス。貨物輸送リスクへの対応は?

どうもこんにちは、飯野です。

本日はウォール・ストリートジャーナルからのニュースで、「ウクライナ・ロシア情勢問題の輸送リスクの話」についてお話していきたいと思います。

2022年3月2日イーノさんの物流ラジオ

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今後の市況

これは先週の土曜で、ロシアに具体的な経済制裁がまだ課せられていない時点の記事です。

しかし、今後の市況がどのようになるかの見解が書かれていてとても参考になったので、ご紹介したいと思います。

陸上から海上・航空へシフト

フォワーダーは規制や混乱を避けるために、一部のサービスを停止し、サービスを陸上から海上または航空にシフトしています。

デンマークのDSV やドイツのDHLエクスプレスなどの輸送会社は、ウクライナ発着のサービスを停止しています。船会社もウクライナのオデッサ港とロシアの一部の港はBookingを停止しました。

今後、ロシアと西側が課す経済制裁によって、企業が出荷をどうするかを深く考えるようになっていきます。

各国企業の対応

本日時点ではアップル、ナイキがロシアで販売停止、イギリスのシェルがLPGのプロジェクトから急に離れたというニュースがありました。

輸送貨物への影響

フランスの物流事業者ジオディス(Geodis)は、先週の金曜日に、さらなる空域の閉鎖や航空会社ごとの制限により、遅延、キャパシティーの縮小、料金の値上げが発生する可能性があると予想していると述べています。

実際、現時点でもエアーにも遅れなどの影響が出ています。

アジアーヨーロッパ間の輸送

シカゴに拠点を置く貨物追跡技術会社のフォーカイツ社( FourKites Inc.)は、この紛争によって海・空・陸路の物資移動が妨げられるため、特にアジアとヨーロッパ間の輸送料金が急騰すると述べています。

同社によると、シベリア鉄道を使った中国からロシアを経て欧州連合に移動する貨物量は、貨物輸送の接続が中断されれば、海上または航空に移行する可能性があるとしています。

シベリア鉄道の使用

昨年上半期に中国から欧州連合に鉄道で移動したコンテナは、30万TEU以上でした。20フィート換算でコンテナ30万個以上になります。

よって、シベリア鉄道が使えないと、これくらいの量が海上・航空輸送に流れることになり、更にスペースが取りにくくなるのが目に見えており、運賃も上がります。

鉄道使用のリスク

米国を拠点とするFlexport Inc.は金曜日、シベリア鉄道の予約受付を停止し、代わりに航空便と海上便の代替便を提供すると発表しました。

もし鉄道が中断された場合、顧客が貨物を失う可能性があります。

フォワーダーとしてはシベリア鉄道を使う輸送を受けてしまうと、万が一の時にお客様の貨物の紛失リスクが出てくるため、責任が取れません。なので、最初から海上にまわした方が良いという判断は納得出来ます。

海運への影響

ロンドンにあるDrewry Shipping Consultants Ltd.は、世界の海運への”最初の影響は小さい”ものの地政学的緊張が世界経済の不安定さに拍車をかけるだろうとしています。

そして、燃料費とインフレの上昇をさらに加速させる可能性があると指摘しました。

今後の対応

今日お伝えした内容のことは、可能性として普通にあり得る話です。このリスクがあるということを頭において実務をしないといけないと思います。

シベリア鉄道が昨日時点では使えているので、このまま使い続けるのか。

運賃や燃料費が上がる可能性が高いため、予算を高めに見ておくとか。

欧州向けのスペースは今後かなりタイトになる可能性があるので、エアーを使うのか。

仕入れ先を北米・南米に変えて、北大西洋を超えて欧州に送るのか。

欧州で現地調達に変えるのか。

リスクをどう捉えて対処するのかが大切かなと思います。