北米でトラック運賃価格が下落!インフレによる買い控え懸念。日本への影響は?

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、WSJの記事から「貨物輸送の需要低迷により、トラック輸送への需要減」についてお話していきたいと思います。

2022年4月19日イーノさんの物流ラジオ

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北米トラック需要減

北米でのトラック需要が落ち着きつつあります。これまでシャーシ不足、ドライバー不足が北米の物流の目詰まりの原因でした。

トラック輸送のスポット運賃が下落し、市場のアナリストも評価を下げつつあります。

トラックスポット運賃の下落

3月の国内輸送需要の指数は前月比0.6%増と、成長に鈍化がありました。同時に、運賃も最近の歴史的な高水準から引き下げられつつあります。

輸送需要量とトラック積載量のバランスが取れてきているため、運賃が下がってきています。

アメリカのバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションのアナリストによると、燃料サーチャージを除く、トラックのスポット運賃は12月以降で37%も低下しているとのことです。

過去1ヶ月では27%低下となり、直近でかなり下がっています。

運賃のピーク過ぎる

トラック輸送アナリストは「運賃の値上げを期待できる時代は終わったと言っていい」と述べています。

また、アメリカのブローカーの担当者は、「現在、輸送のキャパ不足のため高額な契約を結んだ荷主も、市場の変化に合わせて、より低い運賃を求めて契約を破棄しつつある」と述べています。

実際に低い運賃が出てきてはいます。

同氏によると、大手のトラック運送会社の輸送は依然として高い需要があるものの、「今後、ここ2、3年のような盛り上げはないだろう」としています。

運賃のピークは過ぎたようです。

北米のインフレ

ある小口混載貨物輸送会社は、トラック輸送の大部分を占める、消費者向けの貿易がインフレにより縮小していると述べています。

北米では現在かなりのインフレです。3月のCPI(消費者物価指数)が前年同月比8.5%の上昇で、物価上昇は約2%上昇が理想とされている中、かなりの高さです。

変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前年同月比6.5%上昇、前月比ではCPIは1.2%上昇、コア指数は0.3%上昇でした。

ウクライナ情勢によるエネルギーの上昇

エネルギーと食料品は、北米でかなり物価が上昇しています。ウクライナ情勢により、ガソリンは48.0%上昇(多分前年比)、前月比でも18.3%上昇しています。

食品は4月17日のイースター祭を前に卵の需要が拡大していて、各州で鳥インフルエンザ発生が確認されており、卵製品価格が上昇している状況です。

運輸アナリストが、インフレやロシア・ウクライナ戦争の影響の逆風が、好調な成長期を終えたところに課題を突きつけると指摘していると、記事は締めくくっています。

経済の流れ

コロナで始まった物流の目詰まりによる運賃が上昇し、北米での需要回復による物価上昇しました。更にウクライナ侵攻による、エネルギー価格の高騰で北米での物価がかなり上がりました。

ガソリン代、電気代、食品代が上がれば、買い控えが増えるのではないかとおもいます。

実際にコア指数の伸びは鈍化があって(前月比0.3%増)、需要が少し抑えられる気もします。

日本への影響

FRBは今年利上げを7回行います。

利上げも関係しますが、今のように生活コストが上昇し、ローンを使って購入する住宅や自動車の買い控えが進んで、需要が下がれば貨物の動きも下がります。

そうすれば、物流の目詰まりは解消に向かいます。

日本としても、アメリカのインフレが落ち着いて、利上げが小さければ、円安に大きく影響しない可能性もあります。

このままでは、日本では輸入品が円安でどんどん高くなっており、生活だけでなく、経済的にも厳しい状況に来ています。

給料が上がらない中、原材料のコスト高で物価が上がっています。これを「スタグフレーション」と呼びます。

経済は色々と繋がっているので、引き続き情報を発信していきます。