日本発北米向けのサービスコントラクトの海上運賃確定!西岸向け、前年の2~3倍の1万ドル!

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、5月9日付の海事新聞から、「北米向けのSC運賃交渉が前年の倍以上で決着」についてお話していきたいと思います。

2022年5月9日イーノさんの物流ラジオ

イーノさんイーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

荷主との北米向けSC

日本―北米航路の2022年度サービスコントラクトの運賃交渉がほぼ終了しました。

主要コンテナ船社とフォワーダーを含めた日系荷主(BCO = 実荷主)の交渉でまとまった契約運賃は、北米西岸向けで40フィートコンテナ当たり1万ドル前後になった模様です。

去年、2021年度の契約運賃の水準は、平均で3,000ドル台〜4,000ドルでした。

今年の2022年度の契約運賃は前年比で2―3倍の値上がりとなります。

2021年はスポット運賃利用増

というのは、2021年度は港湾混雑に伴うスケジュール混乱や相次ぐ欠便により、SCの契約運賃で船積みできない荷主が続出しました。

そのために、スポット運賃の利用が急増する結果となりました。

船が北米西岸冲で滞留するため、船が戻ってこられなくなり、更に日本の運賃は安かったため、中国に買い負けて、船が日本に寄港しない状況でした。

よって今年は、荷主はより確実に船積みできる契約を求め、記録的な水準での契約運賃の金額となったということです。

これくらいの金額で日本の運賃水準は一般的か、中国より少し高くなったという記事があり、今年は買い負けることは少ないんじゃないかと思います。

ピークシーズンの運賃適用

日本から北米東岸向けでは1万5,000ドル〜2万ドル、西岸経由のシカゴ向けでは2万ドル〜2万5,000ドルです。

ちなみにこの運賃は、西岸・東岸向けともにピークシーズンやBAF(燃料の割増金)を含めた金額です。

北米向けのピークシーズンはこれまで7―9月の夏場だけでしたが、サプライチェーンの混乱で慢性的にピークシーズンの運賃が適用される状況が続いています。

今回サービスコントラクトで決まった、北米西岸向け約1万ドルはスポット運賃と同じくらいの価格です。

荷主のスペース優先

一般的にスポット運賃の方がサービスコントラクトの運賃より高くなります。

記事は、「荷主側は2022年度、需給が逼迫しても確実にスペースを取れる契約内容を強く切望。欠便になった場合の対応などについても双方合意の上、細かく取り決めたようだ。」と報じています。

フォワーダーとの北米向けSC

フォワーダー向けの交渉では、特定荷主の代理となるネームドアカウントの運賃を提供しない船社が明らかに増加しました。その上でフォワーダーに対して、毎月改定されるレート(FAKレート)に一本化する動きが見られました。

ただ、引き続き年間でネームド運賃をフォワーダーに提供する船社もあり、一概には何とも言えません。

これで今年の全体の運賃の底上げも確定しました。

スポット運賃は

サービスコントラクトの運賃が北米西岸向けで約1万ドルなので、今年のスポットレートはどうなるのでしょうか?

今年の後半で運賃が軟化するような記事もありましたが、サービスコントラクト以下の運賃には基本なりません。

もし運賃が軟化するのであれば、高い水準で安定するということかと思います。

僕らみたいな中小フォワーダーだと、スポットレートがかなり重要になってきます。

運賃の底上げが確定したため、去年より更に高い運賃になってしまうのか、もしくはスペースが全く取れなくなるのか、実務面からのまた情報をアップデートしていきたいと思います。