船舶以外への投資戦略!MOLプラス、ゲノム編集の研究企業・リージョナルフィッシュに出資

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、9月6日付の海事新聞の記事から、「MOLプラス、リージョナルフィッシュという次世代水産養殖に出資」についてお話していきたいと思います。

2022年9月6日イーノさんの物流ラジオ

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MOLプラス、リージョナルフィッシュに出資

商船三井が100%出資するコーポレートベンチャーキャピタルの「MOL PLUS」は9月5日、超高速の品種改良とスマート養殖を組み合わせた次世代水産養殖システムを研究・開発する京都のリージョナルフィッシュへの出資を決定したと発表しました。

リージョナルフィッシュは京都大学のスタートアップで有名です。

過去に「マッチョな真鯛を開発した」としてニュースになり、肉厚の真鯛や育成期間が半分のトラフグなどをゲノム編集して養殖している企業です。

環境問題への取り組み

MOLプラスは、リージョナルフィッシュの取り組みが、ESG(環境・社会・企業統治)に関する課題の解決に大きく寄与すると期待し、出資することにしました。

リージョナルフィッシュはゲノム編集技術を用いて品種改良を行い、今後世界が直面するタンパク質不足の問題に対応しています。

より少ない飼料で育つ養殖魚の提供や、環境に優しい持続可能な養殖業の実現を通し、日本の水産業と地域の活性化につながることを目指しています。

今後MOLプラスは、環境影響に配慮して、リージョナルフィッシュの沖合養殖事業に共に取り組むほか、商船三井グループのグローバルなネットワークを活用し、リージョナルフィッシュの海外への事業展開でも連携していくということです。

リージョナルフィッシュについて

もう少しリージョナルフィッシュについて説明したいと思います。

昨日9月5日の日経新聞の記事で、同社は第三者割当増資で約20億4000万円を調達したと発表しました。

養殖プラントの新設や研究開発に充てるとのことで、設立からの累計調達額は約26億円になりました。

大型の陸上養殖場を2023年度にも稼働させる予定で、インドネシアなど東南アジアに拠点を置き、現地で食される魚種の品種改良も狙っています。

AIなどを使って養殖を効率化する「スマート養殖」の開発も進めています。

海外への取り組みもあるため、商船三井との相乗効果があるのではと思います。

ゲノム編集とは

リージョナルフィッシュが使っているゲノム編集はクリスパーキャスナインというもので、DNAの配列の狙ったところにハサミを入れられるものです。

2012年に登場した技術で、ここからゲノム編集が一気に注目されました。

ゲノム編集は遺伝子組み換えとは違って、元々その生物が持っているゲノムを変えていくものであり、遺伝子組み換えは他の生物の遺伝子を入れるものです。

船会社の投資先

これはとても面白いですよね。

昨日の放送でもお話したように、船会社の収益は2024年には80%下がるという予想があります。

船会社は去年に得た大きな収益を投資に回しており、船だけでなく、環境対策などにも投資をします。

地産地消でない、大量生産・大量消費の世の中の方が、船会社の収益としては望ましいです。

しかし今後は企業のニアショアという生産国と消費国を近づけるという動きもあり、船会社の投資も多方面に分散するのではないかと勝手に思っています。