どうもこんにちは、飯野です。
本日は3月28日付の海事新聞の記事から、「北米航路SC交渉、スポット運賃との乖離 大きく、終盤戦で遅れ気味」についてお話していきたいと思います。
2023年3月28日イーノさんの物流ラジオ
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北米航路SCの交渉、終盤戦に
日系荷主とコンテナ船社の北米航路サービスコントラクトの交渉が終盤戦に入っています。
例年だと大手荷主との交渉は3月末までにほぼまとまるものの、今年は決着に遅れが出ているようです。
交渉難航中
下落が続く足元のスポット運賃と、船社側が求める年間契約運賃に差があるため、交渉がまとまらないとのことです。
運賃市況が下降局面の場合には早めに決まるのがこれまでの流れでしたが、「足元の運賃水準に比べ、船社が提示する来期の契約運賃が高く、乖離し過ぎていると思う」とある荷主関係者は不満を漏らしています。
更に荷主側が不満を強めるのは、船社が提示する運賃が足元のスポット運賃だけでなく、「下方修正済みの2022年度契約運賃より高い水準を提示している」こともあるようです。
2022年度との比較
2022年度の運賃交渉はサプライチェーン混乱による需給が増え、北米西岸向けの平均海上運賃は1万ドル前後になりました。
その結果、コンテナ船社が好業績を納めています。
スポット運賃軟化、契約運賃修正
しかし、2022年秋口からのスポット運賃が軟化し始め、年末年始から一部荷主を中心に契約運賃を下方修正する動きが続出しました。
一部では7―8回以上の修正を経て、2022年度の契約運賃が足元のスポット運賃並みまで下がったケースもあったようです。
このため、この時に修正を重ねて安い運賃を確保した荷主ほど、交渉が難航しています。
船会社の対応
船会社からするとあれは1−2ヶ月間の期間限定の運賃であり、それを基準に年間固定で決められたら確実に採算割れで難しいとのことです。
運賃交渉ではこのほか、船社側は夏場のPSS込みを求めています。
船社側は今の北米の過剰在庫が解消すれば、再び需給が逼迫すると見込んでおり、それに備えてPSSをしっかり確保したいようです。
安いマーケットに逆戻りか
個人的には、荷主の購買担当者の気持ちも、船会社の立場も理解できます。
ポジショントークになりますが、今のスポット運賃で年間固定にしてしまうと、また日本の安いマーケットに逆戻りします。
メーカーなどの購買担当の人は、海運業界の未来のことなんて基本的に考えていないでしょう。
むしろ大手荷主(メーカー)ほど賃上げをしているため、運賃を下げて利益を残そうとしているのかもしれません。
業界における賃上げの必要性
船会社だけでなく、フォワーダーや通関業者、トラック業者も含め、この業界でも賃上げをしないといけないのではないでしょうか。
僕らもある程度の高い運賃というのは必要となります。
船会社は除いて、一般的なフォワーダーなどではそこまで給料が高いわけではありません。
個人的には船会社さんに頑張って欲しいと考えています。
適正価格への対応
コロナ禍のむちゃくちゃ高い値段やリーマンショック後のむちゃくちゃ安い値段ではなく、適正価格で襟を正して売って欲しいです。
荷主も値下げが仕事なので理解できなくもありませんが、とにかく安く買い叩くという行為はやめていただきたいです。
メーカーさんなどには、もっと高く売る工夫もお願いしたいところです。