どうもこんにちは、飯野です。
本日は、1月19日付の海事新聞の記事から、「邦船海運大手、4―12月期も好調。円安効果もあって通期最高益視野」についてお話していきたいと思います。
2023年1月20日イーノさんの物流ラジオ
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邦船3社、好業績
邦船の海運大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)の2022年4―12月期業績は、3社そろって中間決算に続き好業績を維持する見通しです。
期中平均1ドル=134円前後と前年同期の110円に比べ24円安い円安が大きく影響しています。
運賃下落の影響は
コンテナ船運賃は2022年夏場から下落が顕在化してきており、ドライの市況も今年に入り軟化が鮮明になっています。
しかし海運大手は複数年契約を結ぶ船舶など安定収益部門で市況悪化分をカバーし、通期見通しも中間期の「上方修正を維持」する可能性もあるとのことです。
ドル決済が大変を占める海運マーケット
海運大手の売上高に占めるドル比率は8割前後と上場企業の中で最も高いです。
運賃、用船料ともに海運の国際マーケットではドル決済が行われ、海運大手はドル収入を決算期ごとに円換算しています。
軟化が鮮明となってきたコンテナ船運賃についても、これは織り込み済みとの見方もあります。
供給量過多の懸念
一方、コンテナ船市況については、海運ブローカー曰く「ここ数年のM&Aやアライアンスなどで主要プレーヤーは世界で7―8社に絞られている」とのことです。
更に、「各社とも経済合理性の観点から自主的に待機船に切り替えており、結果的にコンテナ船のスペース供給は絞られてくる」と悲観論一色ではありません。
確かに、先日のラジオでもお伝えしましたが、不稼働船を自主的に増やしており、供給量をコントロールしています。
各社の通期見通しの修正は?
さて、ここからが本日のメインディッシュです。
海運大手3社は昨年、中間決算時にそろって通期業績の上方修正を発表しました。
2023年3月期の連結経常利益予想は日本郵船1兆1,100億円、商船三井8,000億円、川崎汽船7,100億円といずれも過去最高益を見込んでいます。
今月末から来月上旬に発表される各社の2022年4―12月期決算で各社の通期見通しが修正されるのかどうか。
複数の海運幹部によると、「コンテナ運賃の下落幅は大きいが、複数年契約でカバーしている部分もあり、円安の押し上げ効果も大きい。中間決算時の上方修正を維持できる余地はある」と過去最高益の更新を目指すとの見方もあります。
コンテナ運賃はどうなるか?
今回のニュースのポイントは2つです
コンテナ運賃はそこまで大幅に下がらないかもしれません。
また、円安効果もあって邦船3社の今年度の経常利益も過去最高で、2年連続で過去最高を更新する見込みがあります。
船社が供給量をコントロールするのでコンテナ運賃は船の複数年契約である程度カバーすることが出来ています。
船会社も船をリースしたりするので、運賃の下落は悲観的ではない印象です。
収益をどうするか?
そして船会社がこの収益をどう使うか?
一つは環境対策だと思います。これは絶対あるでしょう。
商船三井はコンテナ船への依存を減らすため、他の事業、クルーズやフェリーなどに投資を回しており、B2Cの領域に行こうとしています。
ここまで資金があれば何か新しいことをするだろうと思われます。
今後の邦船の動きに注目です。
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