どうもこんにちは、飯野です。
今日は海事新聞から「コンテナ船社と日系荷主の2022年度の運賃交渉が進んでいる」という記事からお話ししていきたいと思います。
2021年12月13日イーノさんの物流ラジオ
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2022年度のスペースと出荷量
来年度はどの船社もスペースが増えない中、荷主側は出荷量の大幅増を予想しており、そのギャップをどう埋めるかが大きな課題となっています。
船社は「引き受けるのは既存顧客だけで、なおかつ物量も前年並み」を基本方針とし、需要が増えるけれど、供給が増やせない状態です。
更に、「ある船社が大手荷主に対し、北米向けの一部ルートで来期はスペースを出せないと通告し、激震が走ったようだ」と記事にありました。
船社側がこのように既存顧客に断るのは異例中の異例です。
高運賃の中国へ転換
各船社の営業担当によると、高い運賃が期待できる中国発のスポット貨物にスペースを割り当て、日系荷主向けのスペースは良くて現状維持。一部ではスペース減という話もあります。
一方で日本の大手荷主は来期の出荷量は平均で10%超の増加を予想しています。
荷主と船社の関係
「今は超売り手市場で船社主導の何でもありだけれど、コロナ禍が明けて完全に正常化した場合、荷主と正常な関係に戻ることができるのか」と懸念を示す声も強いと記事は締めくくっています。
これは悪い意味でものすごく日本的だと思います。
ONE以外は日系企業ではなく、外国の船会社なので、中国が儲かるとなれば中国を優先するのは当たり前のことです。
トヨタがEVに完全シフトが出来ないのは下請けがあるからです。悪いとは言いませんが、次の時代に向けては足枷になっている感は個人的にあります。
2022年には、日本ではコロナが開けるかもしれませんが、これまでお話ししてきたように、サプライチェーンは引き続き乱れると思います。
2023年以降は今造っている脱炭素の船が完成し、供給量が増えるかもしれません。しかし、供給をコントロールする方が、収益が高いのであれば、船会社が供給をコントロールする可能性もあります。
または、どこかのタイミングで安売りをする船社が出てきて、各社も次々と安売りをするかもしれません。
マーケットの動きによって変わっていきますので、これは分かりません。
日本へ寄港するメリット
荷主との正常な関係とは関係がなく、中華系は安く売っていこうとしていく気がします。
逆に、以前、チャイナリスクという言葉が流行り、中国から製造を撤退し、東南アジアへ拠点を移すような動きがありました。
今後、ジャパンリスクもありえるのではないかと思います。
この物流業社を安値で叩きまくる日本的な風潮が消えなければ、極端な話ですが、ONE以外が日本を寄港しないという考えがあっても不思議ではありません。
極端な例ではありますが、なぜ儲かりもしない日本の市場に外資の会社が船を寄港させる必要があるのか、ということです。このように日本に寄港する船は減り続ける可能性もあります。
そうすると、船の供給がないため、日本で生産して輸出することが出来なくなるので、製造拠点を更に海外に移さざるを得ないようになります。
こういったジャパンリスクの可能性は低いかもしれませんが、ゼロではないかと思います。
しかしまだ、この Japan As No.1の考えが消え切っていないようであれば、日本に寄港する船が減っていく可能性もあり、これについては、もっと考えていかなければならないと思い、今回お話ししました。
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