どうもこんにちは、飯野です。
本日は、海事新聞のニュースから、「CMA-CGM、欧州最大手の完成車物流のGEFCO買収。ロジスティクス大幅強化」についてお話していきたいと思います。
2022年4月12日イーノさんの物流ラジオ
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CMA-CGM、GEFCO買収
GEFCOの株主構成は、ロシア国営のロシア鉄道が75%、仏自動車メーカー大手のステランティスが約25%出資しています。
これをCMA-CGMがほぼ100%株式を取得とのことです。
非海運部門の強化
CMA-CGMは昨年末から、米情報機器販売大手のイングラム・マイクロの物流部門(CLS)や仏宅配業者のコリプリヴェなどの買収を発表しています。
2021年初には航空貨物部門を立ち上げるなど、非海運部門の強化を進めてきました。
ウクライナ侵攻の影響
現在、欧米諸国や日本などがロシアへの経済制裁を強めているため、産業界でもロシア資本との関係を断とうという動きが加速しています。
ウクライナ侵攻と同じタイミングで、GEFCOは株主構成が原因で事業が困難になっており、先月から経営陣による株式買い取りなどを検討してきたとのことです。
GEFCOについて
GEFCOは、もともとはフランスの会社で、プジョーのブランドで有名なPSAグループであり、PSAが資金流動性を確保するために2012年にロシア鉄道に株式75%を売却しました。
2021年にPSAがフィアット・クライスラーと合併し、ステランティスになり、GEFCOの株式を25%保有している形になっています。
CMA-CGMによる買収が完了すれば、GEFCOは10年ぶりに仏資本に戻ります。
GEFCOの業績
通常、買収には関係各国当局の承認が必要ですが、今回は特別な手続きにより、欧州委員会が買収を即時に承認したとのことです。
GEFCOは、世界47カ国・地域に拠点を置き、従業員数は約1万1,500人の企業です。
直近の通年業績(2020年)は、売上高が前年比20%減の38億500万ユーロ(約5,150億円)でした。2020年上半期は、世界的な自動車減産があり、これが大きく響いたようです。
2020年は、完成車物流(FVL)が21%減、陸送・コントラクトロジスティクス(CL)が20%減、産業サービスが38%減、などいろんな部門での売り上げが下がっていました。
CMA-CGM、規模大幅拡大
CMA-CGMの2021年ロジスティクス事業売上高は109億ドル(約1兆3,500億円)でした。
今回、GEFCOを加えると、CMA-CGMのロジスティクス事業は単純合算で2兆円規模まで拡大すると記事は締めくくっています。
CMA-CGMはマースクと同じでロジスティクスを強化しており、一方でMSCやONEは海運にフォーカスしています。
この戦略の違いが今後、どのようになってゆくのか注目です。
これからの時代の流れは?
個人的にはテクノロジーを用いてトータルロジスティクスに攻める方がリスクは少なく、これからの時代にあっている気がします。
世の中がどのようになったとしても物流自体は無くなりませんし、コロナ前のような海上運賃には戻らないと思います。
海上運賃下がった時が海運だけにフォーカスしていると、リスクが高いような気もします。
まだ正解はわからず、海運に携わる人間として、この先がどのように時代が流れていくのか楽しみです。
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