東海岸で沖まちがコロナ禍以降最高に!ピークシーズンに向けて北米サプライチェーン更に乱れるか?

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事から、「北米東海岸で物流のボトルネックが発生」についてお話していきたいと思います。

2022年5月20日イーノさんの物流ラジオ

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東海岸、沖待ち悪化

先週時点で、東海岸で最も忙しい港の沖待ち船は、平均で一日14隻に達し、コロナ渦以降、最高となりました。

ニューヨーク・ニュージャージー港湾局の事務局長は、「海運のピークシーズンが始まる夏には、より強力な出荷ラッシュが予想されるため、港湾関係者は目詰まりを緩和するために海運業者、トラック業者、倉庫業者と話し合っている」と発言しています。

上海のロックダウンで貨物量が減っていますが、北米東海岸で混雑が発生しています。

東海岸への代替

これは、LAとLB港の代替を探す荷主にとっての懸念材料となっています。

現在、西海岸では混雑のため出荷が大幅に遅れ、西海岸の港湾労働者との労働契約交渉も迫っており、さらなる混乱が懸念されています。

そこで、北米西岸の混雑を避けるため、ニューヨーク、ニュージャージー、メキシコ湾岸へ貨物が分散しています。

その分散した先の港で混雑が発生しています。

東海岸輸入量増加

ニューヨークとニュージャージーは、昨年の全米での貨物輸入量の約20%増を取り扱っていました。

しかし、輸入量が西海岸で減速し、東部で上昇を続けており、今年に入りその状況は変わり始めました。

ロサンゼルス-ロングビーチ港では、第1四半期の輸入は前年同期比2.7%増と減速、ニューヨークとニュージャージーでは、前年同期比で約12%増加しました。

空コンテナ集積

東海岸の混雑によって、荷主が輸入品を引き取るのに時間がかかり、空コンテナが海外への返却待ちで山積みになっています。

港のコンテナヤードには、通常の2倍以上の12万個の空コンが詰まっています。港は空コンを保管するために10エーカー(約4万㎡)の土地を開放し、混雑を緩和する予定です。

空コンテナ集積による影響

このコンテナの集積により荷役作業が遅れ、トラック輸送の設備に支障をきたしているとのことです。

ニュージャージー州にあるトラック運送会社によると、コンテナ運搬用のトレーラー400台のうち半分以上が、港への返却を待つ空コンを抱えて立ち往生しているとのことです。

これにより、同社のドライバーは輸入品の引き取りや、倉庫や配送センターへの貨物の配送を行うことができません。

同社は、もし空コンを返却することができれば、おそらく今の2~3倍は仕事ができるはず、としています。

出荷シーズンに向けての対応

ニューヨーク・ニュージャージー港湾事業部長は、数ヵ月後にピークとなる出荷シーズンが始まれば、輸入は急回復すると予想しており、港はそれまでに施設をできるだけ効率的に稼働させるよう努力していると述べています。

上海のロックダウンにより輸送貨物が減り、運賃も落ち着いていたかと思っていましたが、ニューヨーク、ニュージャージー港でコロナ渦以降、過去最高の沖待ちとなっていました。

これは早く解消しなければ、今後大きな問題となるでしょう。

7月のピークシーズン、6月に予定されている上海のロックダウン解除により貨物量は増えますが、その中で、東海岸でも沖待ちが発生しているという状況は危険です。

前回の労使交渉のときも、ストライキのため、貨物は東海岸へ向かいました。今年も同様になるでしょう。

現状既に沖待ちが発生している東海岸に更に貨物量が増えれば、また混乱をきたします。

この情報は引き続きアップデートしていきます。