どうもこんにちは、飯野です。
本日は、10月13日付の海事新聞の記事から、「世界の物品貿易量、23年減速。WTO 予測を下方修正」についてお話していきたいと思います。
2022年10月13日イーノさんの物流ラジオ
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WTO、2023年の貿易量を下方修正
WTO(世界貿易機関)は先週、2023年の世界の物品の貿易量が前年比1%増に減速するとの予測を発表しました。
世界経済は2022年後半に勢いを失い、2023年も低調に推移するとして、今年の4月の予測の3.4%増から1%大幅に下方修正しました。
先行き不透明
先行きは不透明感が強いため、下振れリスクが顕在化すればマイナス成長に減少するという見込みもあります。
逆に予想を上回る成長になる可能性もあるということです。
貨物量の増減率の推移
海事新聞の記事に、2018年からの貨物量の増減率の推移と地域別の内訳表があります。
その中で、2022年では世界の貿易量は3.5%増の見通しで、WTOは4月の3.0%増から上方修正しました。
蓋を開けてみると根強い需要だったようです。
2021年の推移
需要が強かった2021年はスペースが全く取れず、北米・南米を中心にスゴイ伸びでした。
前年が世界中で落ちていたため、数字の見え方も大きいのもあるかもしれません。
2023年の予測
そして2023年の貿易量はマイナスではないけれども、前年比1%増というわずかな伸びです。
WTOによると、主要国の経済成長がそれぞれの理由で鈍化しており、輸入需要が軟化する見込みです。
世界情勢
欧州ではロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰が家計を圧迫し、製造コストを上昇させています。
米国では金融引き締めにより、住宅や自動車への支出、固定資産投資などが影響を受けています。
FRB、ECB、イングランド銀行も揃ってインフレ対策で金利を上げており、中国ではゼロコロナ政策と生産の混乱に加え、外需の低迷が響いています。
ただ、米国で西岸港湾の混雑が解消し、中国港湾では上海ロックダウン解除後にコンテナ処理量が回復したことは、2022年の北米とアジアの輸入にプラスに働いているということです。
需要の減少の兆し
一方で、8月には商品の納期が短縮し、完成品在庫が増加しました。
WTOは、これは世界的な需要の減少を示唆している可能性があるとみています。
短納期で出来るということは、1つの工場で他のラインを使ってないのか、需要がすくないからか、と個人的には考えています。
船の竣工ラッシュと需要の減少
とはいえ2023年に貨物の動きが全然伸びないとどうなるのでしょうか。
2023年以降は新しい船の竣工ラッシュが始まります。貨物量は同じであるものの、供給は増えます。
船の排ガス規制でゆっくり運行する船も出てくるかもしれません。
世界中でインフレがここまで進んでしまうと、貨物量が増えないのは仕方がないと思います。
来年度の船社とのSCはどうなるのかが気になるポイントです。
今後も状況を見ていきたいと思います。
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