どうもこんにちは、飯野です。
本日は、11月30日付の日経新聞の記事から、「商船三井、不動産に4,000億円投資 コンテナ依存から脱却」についてお話していきたいと思います。
2022年12月2日イーノさんの物流ラジオ
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商船三井、不動産投資に舵を切る
商船三井が2023年から5年間で不動産事業に4,000億円を投じると発表しました。
4月に完全子会社化したダイビルが主導し、米国に進出するほかベトナムやオーストラリアなどの海外案件を増やすとのことです。
コンテナ依存から脱却
海運事業が好調なうちに中長期で安定的な収益が見込める不動産への投資を急拡大し、市況に左右されやすいコンテナ事業への依存を減らしていきます。
ご存知の通り商船三井の海運事業は新型コロナで物流需要が急増しました。しかし、経常益の約8割を占めるコンテナ船事業の業績は不安定です。
不安定なコンテナ船事業
2011年3月期から2020年3月期までの10年間では4度も最終損益で赤字を計上し、2011年3月期に35%だった自己資本比率は一時23%まで低下していました。
コンテナ事業に依存する事業構造の見直しは同業他社も課題にしています。
日本郵船は陸運事業を強化しており、商船三井は不動産投資にかじを切ります。
ではどのように不動産投資をするのでしょうか。
商船三井の不動産投資内容
4,000億円の不動産投資のうち、3分の1の1,300億円程度は米国をはじめとした海外案件に振り分け、既にオフィスビルを所有しているベトナムやオーストラリアで新規物件の獲得を狙っていきます。
人口増加が見込まれるインドをはじめアジア中心に新興国の開拓も見据えているとのことです。
海運事業者としてはこのような海外の不動産投資は異例の大規模となります。
残る3分の2の2,700億円程度は、国内投資をし、東京や大阪を中心に既存ビルの買収を目指します。
海運業界の不安定さ
海運業というのはとにかくボラティリティが高いです。
お伝えした通り、コロナ禍では大きな収益がありましたが、コロナ前は海運業はかなり厳しい環境下にありました。僕自身、実務をしていても、とにかく安い値段がどんどん出てくるといった状況でした。
それは今も変わらず、急激に上がった海上運賃がみるみる下がってきています。
過去に海運業界にはスエズブームっていうのがあり、一時的に海上運賃が高騰し、収益を上げた船会社が沢山船を作り、供給過多となりました。
船会社の投資の変化
今回も多くの船会社が船に投資をしていますが、時代が変わり、CO2排出の規制も重要なポイントになってきています。
商船三井はウィンドチャレンジという帆を作って風力で船を進めるプロジェクトも行っています。
世界的な脱炭素の流れがあるので、規制に対応していない船はスクラップに回され、そこまで供給過多にはならないと思います。
とはいえ、競争は激しく、商船三井はより安定した不動産への事業に舵を切ったということです。
別の事業での安定はかる
世の中の9割以上の貨物が海運で運ばれているので、海運事業自体は無くなりません。
もし別の事業が安定していれば、海運業での競争も耐えられるかもしれません。
物流業社はこの2年で大きな収益を得たので、今後、各社の投資戦略が注目です。
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