カリフォルニア州、2035年までに港湾でのディーゼルトラック輸送を禁止。課題は充電ステーションの設置

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、ウォールストリートジャーナルの記事から、「カリフォルニア州、2035年までに港湾でのディーゼルトラック輸送を禁止」についてお話していきたいと思います。

2022年11月29日イーノさんの物流ラジオ

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カリフォルニア州、ディーゼルトラック輸送を禁止

カリフォルニア州では、トラック運送会社にディーゼル燃料から電気エネルギーへの転換を義務付ける計画がある一方で、現在、充電ステーションの設置問題に直面しています。

段階的にディーゼル燃料禁止

カリフォルニア州は、港、鉄道基地、倉庫の間を輸送するコンテナを運ぶ交通量の多い通路を走る、古い大型トラックを段階的に廃止。

2024年からすべての新車にクリーン燃料を使用するよう義務付けることを提案しています。

そして、2025年からは走行距離が80万マイル(約130万km)を超えたトラックを港湾や鉄道基地で運行することを禁止する予定です。

トラック業界関係者は、「この目標は時間がかかる」しています。その理由としては「充電がないから」です。

カリフォルニア州の新規則

カリフォルニア州は、クリーンエネルギーへの移行において、全米をリードしています。

カリフォルニア州ではこの夏、2035年までにガソリンエンジン車の新車販売を禁止する規則を可決。

更に、トラック・ディーラーに対し、今後10年間はゼロエミッション車の販売比率を高めることを義務付ける規則も可決しました。

トラック運転手にクリーンエネルギーの装備を強制することで、ディーラーの市場を創出することを目的としています。

しかし、問題は充電インフラだけではありません。

立ちはだかる問題

電気トラックは、小売価格が15万ドル(約2,100万円)程度のディーゼルトラックに比べ、2~3倍のコストがかかる傾向があります。

更に、電気トラックの多くは充電後の走行距離が100〜200マイル(約160~320km)であり、長距離のトラック輸送は現実的ではありません。

企業による対応

一方で、物流とトラック輸送を手がけるNFI Industries社の副社長は、同社は今後1年間で南カリフォルニアに約90台の電気トラックを導入すると述べています。

NFIはまた、港や倉庫に近い3ヵ所に数十の充電器の設置を予定しています。

大手は既に利用する顧客を多く抱えており、ゼロエミッションの輸送に割増料金を支払ってくれる顧客もいるとのこと。

港の対応

ロングビーチ港では、現在2つのトラック用の充電ステーションが設置されていますが、さらに増やす予定です。

そしてお隣のロサンゼルス港では地元の交通への影響、利用可能な土地、必要な送電網の改善などの懸念から、多くの充電器を追加する予定はないと述べています。

港側としても足並みが揃っているわけではありません。

州当局による支援

カリフォルニア州当局によると、これまでに中型・大型トラック用の充電ステーション200カ所に資金を提供、さらに多くの民間企業が資金を提供しているとのことです。

カリフォルニア州公益事業委員会は11月17日、今後5年間で7億ドルを中・大型車の充電に充てる「交通機関電化プログラム」を採択しました。

州としてもお金を出して充電設備を作っていく方針です。

強制的に電気トラックにするように州の法律を決め、インフラ設備も増やしていこうとしています。

ゼロエミッションは世界的な流れなので、現実的ではないという現場の人たちがいる一方で、徐々に広がっていくのだと思います。