どうもこんにちは飯野です。
今日は、海事新聞のニュースで「邦船大手の業績が上振れするかもしれない」という記事があったので、それについて話していきたいと思います。
今為替が113円でかなり円安に触れています。
円安によって、日本の邦船、日本郵船、商船三井、川崎汽船の業績が上振れするかもしれないということです。
2021年10月14日イーノさんの物流ラジオ
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現在の収益予想
2022年3月期の連結経常利益予想:
日本郵船:5,000億円(前期比2・3倍)
商船三井:3,500億円(前期比2・6倍)
川崎汽船:2,750億円(前期比3倍)
この凄い金額から更に上振れするかもしれないという予想です。
3社でコンテナ船事業統合しており、そのONEの大幅増益を主因に、3社そろって過去最高益を更新する見込みということです。
円安で増益する理由
なぜかというと海上運賃はドルベースで取引されています。なので円安になると、ドルから円にした時に金額が大きくなるからです。
例えば
1ドル100円
1ドル120円
この場合、同じ1ドルでも20円も違いますよね。
よって、この円安により、今の海上運賃の収益がかなり変わってくることになります。
各社の下期の為替レート
各社の下期(10月―来年3月)の為替レート前提があり、日本郵船が1ドル=105円、商船三井が110円、川崎汽船が105円でレート設定しています。
更に、1円の円安により見込まれる増益効果は、
日本郵船:通期ベースで40億6000万円
商船三井:7月- 来年3月の9カ月間で最大26億円
川崎汽船:9カ月間で4億円
たった1円の円安でこんなに金額がふれ、増益となります。
邦船大手船会社の自社船思考強まる
昨日のニュースに邦船大手の船会社が、自社船思考を強めるとありました。
いま、船会社はキャッシュがたくさんありますので、用船の割合を減らしていこうとしています。
用船とは他の会社が所有している船を借り、船会社がオペレーションをすることです。これまでは財務改善を目的に中長期の用船を使っていました。
用船を使うと、自己資金や借入金がいらないので、財務負担が軽減します。
今年の3月末時点の上記邦船3社の用船は6割強を占めていましたが、財務が改善してきた今、用船する必要はなくなります。100%自社船になることはないですが、用船の割合を減らしていく方針です。
用船と自社保有船
過去には船の巨大化、海運市場の不景気などのため、アセットライト戦略という「自社で船を持たず」、用船を中心にしてきました。
しかし、自社保有船なら荷主と3−5年契約をして、契約満了のときに状況次第で売ることが出来ます。
船主から長期用船している場合、不景気によって減船するとペナルティーが発生しますが、自社の船だとこれは発生しません。
このまま船会社が自社船舶を増やしていくと、主導権が船会社に行きそうな気がします。
自社船舶の利点
これに関しては、個人的には悪いことではないと思います。荷主の中には、極端に安い価格を言ってきたりするケースもあります。
そういった場合、自社船舶であれば無理してスペースを埋める必要がなくなります。これまでは用船料のためスペースを何とか埋めていましたが、自社船舶であれば、ある程度は許容ができるからです。
海運業界の極端な安値を制御
あまりに安く売ると、市場を壊してしまうことになりかねます。
高すぎるのもどうかと思いますが、安すぎては船会社潰れてしまいます。
それはインフラが無くなるのと同じことですので、荷主の人は運賃を叩くというのはやめて欲しいと個人的には思っています。
これによって海運業界の数年後はどうなるのか?楽しみにしています。業界に携わる人間としては、安定した市況が続いてい欲しいという思いです。
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