どうもこんにちは、飯野です。
本日は、Joc.comのニュースから、「北米西海岸の契約交渉は5月12日に開始」についてお話していきたいと思います。
2022年4月4日イーノさんの物流ラジオ
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労働契約、5月交渉開始
今年の7月1日に西海岸の港湾労働者の契約が切れます。
労働者団体(ILWU)と、港の使用者団体(PMA)が5月12日に交渉開始と発表がありました。
荷主の懸念
輸送サプライチェーンはすでにストレスを受けている状況で、さらなる混乱を許容できない環境の中で交渉が開始されようとしています。
この交渉は、荷主が余裕のない状態で行われることになるため、市場でさらなる混乱が生じるのではないかと、荷主は懸念しています。
一部の荷主は、かなりの確率で発生する遅れを回避するために、すでに東海岸やメキシコ湾岸に輸送量をシフトし始めています。
首都ワシントンもここ数年で最も注意深く見ていると記事は報じています。
現在の市況
全米小売連合は 2月24日、PMAとILWUに、今年は例年より早く交渉を開始するよう両組合に要請しました。しかし、今回の開始日の5月12日は、特に早い訳ではなく、過去には大体4、5月にスタートしています。
米国労働長官が、米国港湾協会(AAPA)のイベントの講演にて、関係者と関心のあるオブザーバーに、平静を保つよう促しました。
前回の2014年もかなり交渉が長引きましたが、2022年もかなり悪いということではないとしています。
とはいえ、関係者は、今回の交渉を実際以上に問題になるのではないかと考えています。
港の自動化への反発
今回の交渉は自動化が重要な問題になりそうです。
ILWUもPMAも、今年の交渉でどのような問題を重要視しているのか、公には語っていません。
しかし、近年、労働組合は西海岸でのオートメーション化の広がりに公然と反対しています。
過去の失業
2002年には、書類の電子化について交渉し、その結果、一部の船舶事務員の雇用が失われました。
また、2008年、荷役機械の自動化が協約で決まり、労働組合は数千人の一般港湾労働者の雇用を失いました。
電子化や機械化で、これまでに雇用が失われています。
必要な自動化
一方、使用者側は、拡張できない港で、毎年記録的な貨物量を扱い続けるためには、西海岸の一部のターミナルは自動化せざるを得ないだろうと指摘しています。
自動化により、同じ敷地面積で扱える貨物量が、ほぼ2倍になるとのことです。
ILWUとPMAの主張
ILWU(組合側)は、自動化によって生まれる新たな雇用を、ILWUの管轄下に置くという契約上の保証を求めると予想されます。
また、組合側はPMA(使用者団体)に、将来の自動化プロジェクトを阻止しやすくするための「ギブバック」を要求するかもしれないとのことです。
一方、PMA(使用者団体)は、組合が以前の契約で自動化条項に同意することで、年金や手当の大幅な増額を確保したと指摘しています。
つまり、労働組合側は同意して、既にメリット得ているとしています。
港湾労働者がいくら稼いでいるかというと2021年の年次では
・フルタイムの一般港湾労働者の平均年収:182,789ドル(2,240万円)
・海上事務員の平均年収:20万3533ドル(約2,500万円)
・監督の平均年収:28万352ドル(約3,400万円)
このレベルの年収を得ているため、労働者としては自動化で仕事を失いたくないわけです。この年収を確保するため、交渉が長引く可能性があるでしょう。
混雑悪化の懸念
5月12日から交渉が始まるため、5月くらいから港湾作業ペースが遅くなり、また沖まちが増える可能性があります。
あと1ヶ月ちょっとで交渉がスタートします。
市場が乱れる可能性が高いので出来る限り備えて頂ければと思います。
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