どうもこんにちは、飯野です。
本日は7月13付の海事新聞の記事から、「仏ルアーブル港、MSCの子会社が7億ユーロ投資。2.4万TEU型船に対応」についてお話していきたいと思います。
2022年7月13日イーノさんの物流ラジオ
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TiL、ルアーブル港に7億ユーロ投資
MSCの子会社でターミナル事業を手掛けるTiL(ターミナル・インベストメント・リミテッド)がフランスのルアーブル港で総額7億ユーロ(約962億円)の投資を行うと発表しました。
今後6年間でガントリークレーンの増設やターミナルの拡張を行い、コンテナ処理能力を強化する予定です。
将来的には2万4,000TEUクラスの大型船舶にも対応するターミナルへと進化させることを目標としています。
TiLの計画
このTiL(ターミナル・インベストメント・リミテッド)は現在、ルアーブル港のTNMSCターミナルとTPOターミナルの2つのコンテナターミナルを運営しています。
今回は総額7億ユーロを投入し、稼働するガントリークレーンの台数を現在の2倍の20台に増設。
更に、取扱貨物の増加に対応するほか、6バース全てに新たに荷役機器を導入し、ターミナル内の保管能力を3倍に増強していきます。
また、電動荷役機器や船舶用の陸上電力供給設備も導入し、環境負荷軽減にも貢献していく見通しです。
雇用創出
これらの投資により、今後6年間で港湾労働者900人、メンテナンスに携わる労働者200人の雇用創出が見込まれているとのことです。
TiLのCEOは、「MSCからの貨物量の保証や港の成長と生産性を支える人材の提供という地元との合意の下、このような大規模な投資が実現した。」としています。
また、「欧州へのゲートウエーとしてのルアーブルの潜在力を最大限に発揮するため、政府によるコンテナターミナルと複合一貫輸送を円滑化する鉄道インフラ開発への支援を期待している」と述べています。
日本への大型船寄港
24,000TEUは現在、最大規模のコンテナ船です。
一方で港湾への投資については、日本はまだまだと思います。
大型コンテナ船が寄港するためには十分な水深が18mくらい必要となり、日本で18mの水深がある港は横浜港のMC3,4バースのみです。
24,000TEUクラスの船が横浜以外は入ってこられません。
この先、大型船が増えていったとしても、日本にはトランシップしか入ってこないことになります。直接大型船が寄港できず、トランシップとなるとリードタイムも伸びます。
港への投資
産業の空洞化で日本は外国に工場を作っていましたが、円安になって、今後日本で作る方が安いという流れになる可能性があります。
しかし港に投資をしていないため、先進国にも変わらず大型船は寄港できないのが現状です。
こういった海外の港湾投資のニュースをみると、ちょっとやるせない気持ちになってしまうというお話でもありました。