CO2の回収について!
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どうもこんにちは。飯野です。
今回は海運業界だけでなく、一般的な環境対策である「CO2の回収」についての解説をしていきたいと思います。
このチャンネルでも頻繁にお話をしている海運業界の脱炭素ですが、CO2を出さない為の目標や施策が日々更新されています。
最近ではイギリスのグラスゴーで開催されている、気候変動に関する国際会議 COP26があり、各国の温室効果ガス排出量の削減目標が注目されていますよね。
CO2の回収について
このように温室効果ガスをそもそも出さないのが重要なのですが、それでは今現在で排出されているものはどうなっているのでしょうか?大気中に出しっぱなしなのでしょうか?
実は現在排出されているCO2は全てではありませんが、しっかりと回収されているのです。
そして2021年10月のニュースでは、日本の川崎汽船と三菱造船は日本海事協会(NK)と共同で、世界初の「船上でのCO2の分離・回収の実証試験に成功した」と発表がありました。
このCO2の回収は陸上では多くの所で導入されています。
日本では三菱重工がCO2の分離・回収設備で有名で、世界14カ所で回収装置を設置、7割超のシェアを占めているんです。
CO2の分離と回収の技術
ではCO2の分離と回収をどのようにしているかというと、アミンという特殊な液体に排ガスを入れて加熱し、CO 2だけ分離・回収したり、最近では白くて小さな球状の固体吸収剤にCO2を閉じ込める技術も出来ています。
CCSとCCUS
またこのCO2の分離・回収をする活動において、CCSまたはCCUSという名称で注目が集まっています。
CCSはCarbon dioxide, Capture, StorageでCO2の「回収と貯留」のことです。
CCUSはCarbon dioxide, Capture, Utilization and StorageでCO2の「回収、有効活用、貯留」を表します。
CO2の有効活用
特に近年ではCCUSの”U”=Utilizationである”有効活用”が、技術的にも発達していったのでより注目されているようです。
では、どのようなものにCO2が有効活用されているかというと…
例えば、ビニールハウス内で育成している野菜や植物に適量のCO2を散布したり、CO2を基礎化学品のメタン、メタノール、オレフィンに転用することが出来ます。
CO2の貯留
次にCCSやCCUSの”S” = Storage、貯留についても説明しましょう。
回収したCO2をどこに貯留しているのでしょうか?
実は海底などにパイプラインを使って送り込み、地中に圧入して閉じ込めています。
「石油や地下水を長期間封じ込めていたような安定した地層であればCO2の隔離も長期間可能なはずだ」という考えの元に地中に閉じ込めているのです。
しかし、貯留出来る量にも限りがあります。
現在のCO2排出量だと世界で100年分のCO2が貯留可能と言われていますが、もしかしたら もっと少ないかもしれませんよね。
液化CO2船の開発
CO2を貯留する地域(地層)も限られています。その為、CO2の回収場所と貯留地点が近いとは限りません。
もし回収地点から貯留地が100〜200km程 離れるとパイプラインより海上輸送の方がコストが安くなるようです。
現在、液化CO2船は世界で5隻しかありません。全てノルウェーの海運会社ラルビック・シッピングが船舶管理しています。
もともと飲料ガスなど向けに運航されていたものですが、CCSの事業化が進む中で世界的に注目が集まっているようです。
そして日本の商船三井はラルビックに出資し、液化CO2輸送事業に参入し、国内でも液化CO2船の開発を進めています。
まとめ
EUは2030年のEUのCO2排出削減量を、従来の1990年比40%減から55%減に引き上げる法律を承認しました。
この大きな目標を達成するため、企業やベンチャーキャピタルなどの投資家はCCUSを手掛ける企業への出資や提携に乗り出しており、2021年のCCUS企業の資金調達額は前年比3倍の11億ドルに達する見通しとのことです。
現在 世界中で気候変動に対しての対策が講じられています。
脱炭素という、そもそもCO2の排出を出さないということがやはり大切なのですが、今回説明した特にCCUSのCO2の有効活用にも注目です。
技術開発が進みCO2はメタノールにも転用できると紹介をしましたがこのメタノールを燃料として動く船もあり、海運最大手のマースクも採用をしています。
CO2排出量が実質ゼロになり、非常に面白いなと個人的には思っています。
海運業界においても脱炭素や、CO2の回収と有効活用についてこれからも情報を発信していきたいと思いますので、チャンネル登録やSNSでシェアをして頂けると非常に嬉しいです。
今回は以上になります。ありがとうございました!
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