LCL-混載貨物輸送について!
LCL – 混載貨物輸送について動画で解説
5分59秒の動画解説やで!
今回のテーマはFCLとLCLの違いについてで、特にLCLに注目をして解説をしていきたいと思います。
LCLとは
LCLとは日本語で言えば海上輸送の混載便のことです。
LCLはコンテナ一本を使うFCLとは違い、コンテナの一部のスペースを借りて貨物を輸送する方法なのですが費用の計算がFCLとは異なるので注意しなければいけません。
またどれくらいの貨物量までであれば LCLを使った方がお得なのか、損益分岐点の確認方法についても解説をしていきます。
LCLの選び方
まず用語の説明ですがLCLとはLess Than Container Loadで 1本のコンテナに満たない貨物を輸送する時に使います。
そして、LCLではコンテナに満たない貨物を輸送するということですが、このコンテナは20’feetコンテナのことを指します。
20’feetコンテナのサイズを見てみましょう。
縦2.3m、奥行き2.3m、高さが2.3mで 体積が合計で約31M3となり、これだけの量があれば20’コンテナはパンパンになります。
20’feetコンテナがパンパンになる貨物量は理解できました。
しかし、貨物量が半分の15m3の場合はどうでしょうか?
1m3の貨物量であればLCLを使うでしょうが どれだけの量までならLCLの方がお得なのでしょうか?
20’feetとLCLの損益分岐点はどうやって計算したらよいのでしょうか?
そこについてもう少し深掘りをしていきましょう。
FCLとLCLの費用計算ルールの違い
損益分岐点を算出する前にFCLとLCLでは費用計算のルールが違うということを理解しておかなければいけません。
FCLはコンテナ1本あたりで費用計算する事に対して LCLでは貨物のサイズか重量のどちらか大きい方に対して費用換算をします。
貨物の重さと重量に関してですが別の動画で詳しく解説しておりますので 動画のリンクを概要欄に貼っておきます。
FCLとLCLの費用比較する際の4つのポイント
そして、FCLとLCLの費用比較をする時に見比べなければいけないのは この4つのポイントです。
海上運賃、THC、CFS、トラック費用の4つを主に見れば費用の違いが分かります。
この時に注意しなければいけないのは海上運賃以外は 積み地だけでなく、揚げ地側も含めて確認をしなければいけません。
詳しくみてみましょう。20’ feetのFCLではコンテナ1本に対しての費用が固定されているのですが LCLでは貨物の大きさ・重さに対して費用がかけられることになります。
ここでは貨物の単位はCBM(キュービックメートル)と大きさを採用して解説をさせて頂きます。
注意するポイントはCFSです。
CFSはコンテナフレートステーションという、貨物をコンテナに積み込む場所の費用のことでLCLの場合のみ発生します。THCは港の使用料金なのでFCLでもLCLでもかかってきます。
FCLとLCLの費用比較例
具体的な数字の例をあげてみてみましょう。
ここから先は数字が沢山出てきますので動画を止めながら見ていって頂くほうが理解しやすいかもしれません。
ここで紹介するのはバンコクと東京でのFCLとLCLの費用例となります。
海上運賃とトラック運賃はフォワーダーによって売値は異なりますが THCとCFSは船会社のタリフとなりますので、大体これくらいの費用になります。
FCLでは20’feetコンテナ毎の固定費用になっているのに対して LCLの、海上運賃とTHCとCFSでは貨物サイズに対して変わってくる費用となります。
費用の合計を計算すると分かりやすいと思います。
為替は理解しやすいように、1バーツを3円、1ドルを100円とします。
この場合20’feetコンテナ一本の費用は120,8000円となります。
ちなみにこの費用には通関費用や書類作成費用などは含まれておりません。
FCLとLCLの費用の比較の為に簡素化したものとご理解ください。
一方でLCLで、15CBMの貨物を運ぶと仮定した場合ですが これらは1CBM毎の費用なので、それぞれに15をかけて費用はこのようになってきます。
これらを合計すると153,200円となります。
比較するとこのようになるのですが、これはLCLで15CBMの貨物を輸送する場合での比較で貨物サイズが変わると費用も変わってきます。
そしてフォワーダーの見積もり次第ではFCLの方が高くなる場合もあります。
輸入側でのTHCとCFSの費用に注意
最後にLCLでの輸送でよくある問題と注意点についてご紹介をしたいと思います。
輸出側ではLCLでの費用は、FCLと比較すると安くなるのが一般的です。
なので国際輸送に慣れていないShipperが、大きいサイズの貨物だとしても LCLを使う場合がたまにあります。
この時に問題になるのは輸入側のTHCとCFSの費用です。
インコタームズ がCFRやCIFの場合はShipperは揚げ地の費用を支払わないので貨物サイズが大きいにもかかわらず LCLでの手配となったら、輸入側で問題になってしまいます。
もしあなたが輸出側で 大きな貨物を手配する場合は、LCLでの輸入側の費用も含めて注意して計算をしておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。LCLは20’feetコンテナに満たない場合に使われます。
注意をしなければいけないのはFCLとLCLでは費用計算のルールが違うという事で、特に海上運賃、THC、CFS、トラック費用の項目で費用が変わってきます。
FCLとLCLの損益分岐点は貨物のサイズやフォワーダーの見積もりにもよるので 一概にこれ以上はFCL、これ以下はLCLと断定はできませんがLCLを使う時には輸入側のTHCとCFSにも注意をしなければいけないということをご説明させて頂きました。
最適な物流手配をする為に今回の内容はとても大切なので、早く実務で使いこなせるように理解をしましょう。
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