HMMの船員がストを実施か!?労働環境や船員不足の背景を説明します。

どうもこんにちは飯野です今日も飯野さんの物流ラジオを始めていきたいと思います。今日のテーマは韓国の船会社のHMMがストライキ突入か!?についてです。


8月23日に韓国のHMMの労働組合がストライキへの賛否投票を行い、なんと92%が賛成するというニュースがありました。改善がなかったら、釜山港で船員が集団下船する意向を述べています。

HMM(韓国)について

ますHMMについてまず最初に説明させて頂きます。HMMは日本語でいう現代商船という会社で、英語ではHyundai Marchant Marineと言います。

2016年に現代グループから離れたものの、韓国最大の船会社です。そしてコンテナ取扱量が世界8位の大きな船会社です。

韓国のコンテナ船マーケット

韓国の国際コンテナ船マーケットのプレイヤーもご紹介しましょう。

・Hyundai
・Namsung
・KMTC
・Sinokor
・Hueng-A

の5社があります。

そして2017年にHanjinが倒産し、船会社としたら激戦マーケットという印象です。

HMMの労働環境

今回はなぜストにまで発展しようとしているのか?これはHMMの労働環境が問題なのです。

守られていない船員法

HMMの労働環境がどのように問題だったのか?まず船員法では船員は乗船後、最大6ヶ月まで船に乗って仕事をすることになっています。しかし、これが守られていませんでした。1年くらい船の上で生活・仕事をするという労働環境でした。

上がらない賃金

そして船員の賃金が6年間据え置きで、ずっと給料が値段が上がっていませんでした。

船員の人材不足とコロナ

さらにコロナのPCR検査証明がないと船員は船に乗ることができません。なのでその証明書がない船員は乗船できず、船に乗ってる船員は降りれないという状態でした。

HMMの労働環境の背景

このようなことが起こった背景は2010年から2020年までの10年間、Hyundaiは通年で営業赤字だったんです。

2020年では9807億ウォン(921億円)の営業利益が出てるんです。また今年2021年の上期上期でも増収増益が出るようになりました。しかし、それまでの10年間は営業利益がずっと赤字だったんです。

10年間営業利益が赤字だから労働環境が悪くて訳ではありません。

そして、このタイミングで船員が賃金交渉し、労働環境も何とか改善しましょうとストライキ実施に対して賛成が90%以上あります。

会社側の条件提示

賃金アップ:8%
激励金:300%
生産奨励金:200%

激励金と生産奨励金で賃金の5ヶ月分です。

組合側の要求

賃金アップ:25%
成果金:1,200%

これが拒否されると船員が集団下船すると交渉をするとのことです。

MSCがHMMの人材確保へ

ここで別の国の船会社からアプローチがあります。このHMMの船員たちに向けてスイスのMSC(世界2位)が2.5倍の賃金で交渉しているとのこと。

現在MSCは人材確保に動いています。昨今の船会社では新しい船を発注しており船員不足も課題の一つです。MSCはHMMの航海士、甲板員、調理師をリクルートしています。

その為、実際にストライキにならなかったとしても、HMMの船員は減るんじゃないかなと思います。

9月1日にHMMの労働組合と会社側で再交渉がありますが、今後の注目ポイントです。