欧州の港湾混雑が危機的レベル!需要減でも混雑大。スケジュールの乱れとコールサイズの増大

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、Job.comの記事から、「欧州の港湾混雑が危機的レベル」についてお話していきたいと思います。

2022年7月11日イーノさんの物流ラジオ

イーノさんイーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

欧州港湾、混雑

インターモーダルオペレーターのContargoによると、北欧のいくつかのハブ港では混雑が危機的レベルに達しており、ターミナルから内陸部まで混雑が広がっています。

さらに、ドライバー不足、内陸部の鉄道やバージの運行停止など、輸入量の減少や経済状況の急速な悪化にもかかわらず、ボトルネックはさらに深刻化しています。

各船社の対応

マースクはこの状況に対し、主にターミナルの混雑など、多くの外部要因によって引き起こされているとし、混雑による大幅な遅延のため、アジア-ヨーロッパ航路の出発日を、8月から11月にかけて17便を調整するとしています。

Hapag-Lloydは、フランスのLe Havre港とFos-sur-Mer港のボトルネックに対応し、7月1日からすべての輸出入トラックの移動に対して25ユーロ(26ドル)の混雑追加料金を課し、コンテナの適時集荷と搬出を促しています。

欧州の複合一貫輸送サービス

欧州の輸入サプライチェーンに欠かせないのが、コンテナを内陸のターミナルに集めて運び、道路、鉄道、水路を通じて最終目的地まで配送する複合一貫輸送サービスです。

「海港のターミナルは満杯で、非常に狭い時間枠でしかコンテナを受け入れていない」と、Contargoは先週末のマーケットアップデートで指摘しています。

ドライバーと空コンテナの不足の深刻化が、さらなる遅延を引き起こしています。

港での待ち時間の増加

ロッテルダムとアントワープでの平均待ち時間は、5月に比べて6月は改善されましたが、依然としてコロナパンデミック前のレベルをはるかに上回っています。

先週の待ち時間は、ロッテルダムで56時間、アントワープで51時間でした。

欧州の鉄道貨物も6月を通じて大きな混乱に直面しており、ドイツでは工事のため路線が閉鎖され、列車の発着に影響が出て、ネットワーク全体のバランスが崩れています。

輸入量は減少

コンテナ貿易統計(CTS)の最新データによると、今年1〜4月の北欧および地中海へのコンテナ輸入量は前年同期比4%減の416万TEUでした。

エネルギーと食糧の価格高騰がインフレと生活費の危機を招き、欧州経済が打撃を受けるなか、アナリストは需要はさらに減少していく警告しています。

しかし、ヨーロッパの景気後退が勢いを増す一方、ハブ港の混雑を緩和する効果はほとんどないようです。

港湾混雑の理由

Sea-Intelligenceのアナリストによると、ターミナル混雑の主な要因はスケジュールの信頼性の低さであるとしています。

5月にアジア-北ヨーロッパ間の定時運航の信頼性は25.7%で、わずか4隻に1隻だけがスケジュールから1日以内に到着しているということになります。

北欧貿易のスケジュールの信頼性は、昨年の27パーセントに比べ、2022年の最初の5ヶ月間で平均18パーセントとなっています。

寄港数の大幅増加

このスケジュールの乱れに加えて、コールサイズ(1回の寄港で船舶に乗り降りするコンテナの量)の増大があります。

北欧の港では今年、寄港数が大幅に増加し、港湾に到着する船の量が増え、これがターミナルの処理能力に大きな負担をかけています。

よって、ハブ港での平均停泊時間が伸びています。

様々な要因で港湾の混雑が発生していますが、今後のクリスマス商戦に向けて、さらなる混乱が予想されます。

今後もヨーロッパの状況に注目していきたいと思います。