北米の鉄道労使交渉がピンチ!?スト突入か?サプライチェーンへの影響懸念。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は9月9日付の海事新聞の記事から、「米鉄道労使交渉。一部組合と合意も、先行き見通せず。スト懸念高まる」についてお話していきたいと思います。

2022年9月9日イーノさんの物流ラジオ

イーノさんイーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

北米の鉄道労使交渉続く

北米の西岸港湾での労使交渉は続いているなかで、本日は北米の鉄道の労使交渉についてご紹介したいと思います。

ユニオン・パシフィック(UP)やBNSFなど米大手の鉄道会社と、その従業員約11万5000人が組成する複数の労働組合との労使交渉が続いています。

2年半前の2020年1月に、鉄道会社側と鉄道会社の従業員で組成される12の組合と労使交渉が開始しています。

しかし、賃上げを巡って意見がまとまらず、交渉は2年以上も続いています。

組合側の求めている賃上げ額は31・3%であるのに対し、鉄道会社側が提示しているのは17%程度です。

バイデン政権の介入

この鉄道の労働組合側がストを起こさないためにアメリカの仲裁委員会が介入したり、バイデン大統領が大統領緊急委員会をつくったりなど、労使間の合意を促すための提言をまとめたりしています。

この大統領緊急委員会の提言というのは、2020年7月1日にさかのぼる5年間で複利24%の賃上げと、同期間中の毎年1,000ドルの特別ボーナス支給を提起する内容となっています。

緊急委員会の勧告は24%のため、組合の31%と鉄道会社の17%の中間くらいとなります。

これによって8月末までには12の組合の中の3つの組合が鉄道会社側と暫定合意しました。

しかし、まだ九つの組合とは交渉が続いています。

今後のストの可能性

アメリカの現行法では、緊急委員会が大統領に提言してから30日間は、ストライキが禁止されています。

よってこの30日のスト禁止期間が終わる9月16日以降、組合がストライキに訴えることは可能となります。

北米の鉄道でもストが起こって内陸の輸送が混乱することになるかもしれません。

北米の鉄道輸送

米鉄道は米国内のサプライチェーンを支える大きな柱となっており、これまでも米大手小売事業者などが米政府に働き掛けを行ってきました。

特にアジアからの輸入コンテナは米西岸港湾に荷揚げ後中西部などに輸送されるなど、コンテナ輸送にとって重要な役割を果たしています。

9月16日までに残り9組合との合意ができなければ、ストライキ突入の可能性は高くなります。

米国西岸港湾の労使交渉が不透明な中、鉄道労使の動きは北米航路にとっても大きな懸念材料となっています。

政府の動き

バイデン大統領は11月に中間選挙を控えています。

混乱回避のためストライキ阻止は不可欠であり、最終的には再び政府による仲介が動き出すのではとの見方もあります。

西海岸のストに関してはあまり影響が出ていない印象があります。

しかし、ここで鉄道のストが絡むことによってもしかしたら影響が出るかもしれないし、大きく変わらないかもしれません。

このサプライチェーンの乱れというのは、どうなるのか読めないというのが個人的な印象です。

鉄道のストによる混乱

西海岸の混雑を避けるために、東海岸が混んでいるというのは事実としてあります。

ある種の影響が出ているとは言えますが、運賃にはまだ影響はしていません。

鉄道のストで、東海岸向けが更に混雑する可能性はあると思います。

鉄道を使って西から東に運んでいたものが、鉄道が機能しないため、船で東に運ぼうとする動きが出てくるかもしれません。

引き続き情報をアップデートしていきたいと思います。