どうもこんにちは、飯野です。
本日は海事新聞のニュースから、「CMA-CGM、廃プラ輸送を全面停止」についてお話していきたいと思います。
2022年2月16日イーノさんの物流ラジオ
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CMA-CGM、廃プラ全面停止
仏船社CMA-CGMは環境保護の観点から、2022年6月1日から廃プラスチック類の輸送を停止すると発表しました。
海洋に流入したプラスチックごみが生態系に深刻なダメージを与えており、廃プラの輸送を停止することで、適切な処理が行われていない地域への輸出を防ぐのが目的としています。
一方、再生資源貨物は、日本を含む先進国からの輸出貨物として大きな比重を占めており、大手船社による輸送停止は貿易に大きな影響を与えそうだと記事は報じています。
日本の廃プラスチックについて
少し古いデータですがジェトロで確認したところ、2017年の日本の廃プラスチック輸出量は、143万トンでした。
日本は香港、米国に次ぐ世界第3位の廃プラスチック輸出大国です。
日本から廃プラの輸出相手国
2017年に日本から輸出した廃プラスチックのうち、52.3%(約75万トン)が中国向けでした。
しかし2017年末から、中国が主に生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止したため、2018年以降、東南アジアや台湾向けの輸出が増加しています。
2018年上半期の輸出相手国・地域別の輸出量は、タイが14万トン、マレーシアが11万トン、ベトナムが9万トン、台湾が8万トン。
これら4カ国・地域への輸出は、2018年上半期の日本の廃プラスチック輸出量の約80%を占めています。
廃プラの仕分け
なぜ人件費の安い国に送られているかというと、仕分けが必要となるからです。
僕はタイで鉄や銅などのスクラップ物流手配をしています。
集められてきたスクラップにはごみなども入っており、それを手作業で仕分けしています。
リサイクル方法
廃プラの場合、仕分けてから、以下の二つのリサイクル方法があります。
マテリアル・リサイクル:ペットボトルがペットボトル、または別の素材にするもの
サーマル・リサイクル:焼却してエネルギーとして回収するもの
CMA-CGMの廃プラ輸送量
CMA-CGMグループは年間5万FEU分の廃プラ関連貨物を輸送しており、特に米国発では、船社として最大の年間8,000FEUを取り扱っているといます。
FEUは40フィート一本のことです。
廃プラの海洋への流入
CMA-CGMによると、年間1,000万トン以上の廃プラスチックが海洋に流入し、この量は今後20年間で3倍弱の年間約2,900万トンまで増加する見通しとのことです。
収集された廃プラが屋外で保管、適切なインフラで処理されていないことで、海洋への流入に拍車が掛かっているとCMA-CGMは考えています。
環境汚染への配慮
実際に、途上国に送られた廃プラスチックは選別・処理などが適切に行われていないことも多いため、「環境汚染物質を輸出している」という批判もありました。
よって、CMA-CGMは廃プラの海上輸送停止により、適切な分別・リサイクルが保証されない地域への廃棄物輸出を防止するとしています。
一方で、適切な処理が行われた廃プラスチックまで規制することに対しては、疑問の声もあがっています。ちゃんと適切に処理をしている会社からしたら、なぜだと声が上がるのも自然だと思います。
今後の廃プラ輸送
CMA-CGMグループは現時点で受託しない貨物のHSコードなどは明示していません。
輸送停止となる6月以降、しばらく混乱が生じる可能性があり、また、他社がCMA-CGMの方針に追随するかにも注目が集まっています。
SDGsや脱炭素なども含めて、企業は環境対策を重視しています。
分別とリサイクル
今回調べるまで、日本からタイに廃プラスチックが輸出されていることは知りませんでした。
タイで8年生活していましたが、家庭ゴミの分別は全くありませんが、調べてみると、分別を試みるプロジェクトがタイでもありました。
身の回りでは、2020年からレジ袋の無料提供が禁止されました。実際レジ袋のポイ捨てが多かったため、それを取り締まるためにタイは対策をとろうとしていました。
帰国してから、日本の分別はちゃんとしており、日常生活ではリサイクルという概念がタイはまだまだだと感じます。
リサイクルの現状
実際、タイや他の国でちゃんと仕分け、リサイクル処理が出来ているかは分かりません。
今回CMA-CGMではそれは出来ていないという判断をしたため、輸送しないことで自分たちが環境汚染に関与しないと明言しています。
これも世界のトレンドかなと思います。
廃プラスチックの現状など、調べたら結構興味深い内容でしたので、参考にした記事のリンクを貼っておきます。
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