eB/L大手のボレロが買収!船荷証券の電子化が技術と法制度から前進。貿易業界のペーパーレス化

どうもこんにちは、飯野です。

本日は8月9日の海事新聞の記事から、「【記者の視点/岬記者】船荷証券の電子化。技術・法制度整備で大きく前進」についてお話していきたいと思います。

2022年8月29日イーノさんの物流ラジオ

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今日の海事新聞電子版のランキングで一位になっていたeBLについてのニュースで、B/Lの電子化については最近取り上げていなかったので、注目したいと思いました。

それではいってみよう。

eBLプロバイダーボレロ社、買収

「豪企業がeBL(電子船荷証券)大手のボレロを買収」というニュースがあり、それについての岬記者の視点での記事からの抜粋です。

ボレロはeBLプロバイダーで最も歴史が長く、資源貿易などでその実績を積み上げてきました。

そのボレロが、貿易関連のITソリューション大手の豪ワイズテックグローバルに買収されたというものが今回の記事です。

過去のeBLへの取り組み

ボレロは1990年代前半に始まったEUの貿易電子化プロジェクトを原点として始まりました。

近代の船の高速化により、近海航路など船足の短い航路で、B/Lより本船が早く到着し、貨物が引き取れないなどのトラブルが起こっています。

eBLにより、この問題が解決できるという期待が当時はありました。

とはいえBLは有価証券であり、権利移転の管理が非常に重要です。

一方で、貿易書類として関係者が地域・業種をまたがり多岐にわたることから、当時の技術では電子化による適切な管理が難しいのが現実でした。

よって、ボレロの当時の仕組みでは、eBLの普及がすすまなかったのです。

ブロックチェーンの台頭

しかし、それを可能にしたのが、ブロックチェーンの技術です。

セキュリティーが高く、取引履歴が共有できるため、取引の信頼性が担保できます。

eBLに関して言えば、ブロックチェーンだからこそ乗り越えられる課題も多かったのです。

法制度の整備

また、技術の発展に加え、法制度の整備もeBL普及には追い風となりました。

eBLを明示的に有効と認めた法制度はこれまで、英など一部の国に限られてきました。

しかし、昨年のG7サミットではBLを含めた貿易電子化が声明に盛り込まれるなど、国際経済全体で、その必要性が認識されてきました。

日本でも経済界からの要望などが高まっており、政府でも議論が行われ、法制化に向けた準備を進めています。

30年越しのeBL普及

ボレロの原点となったEUのプロジェクトから30年弱。

遅々として進まなかったeBLの普及は技術、法制度の両面から大きく前進しようとしています。

貿易書類の電子化で、最も難しいとされてきたBLが電子化されれば、国際物流全体のDXにも大きく貢献するはずだ、と記事は締めくくっています。

ペーパーレス化へ

僕はちょっと実務から離れているので、ぼんやりした個人的感覚になりますが、船会社のB/LはeBLになっているという印象です。

一方でフォワーダーのB/LはPDFなどを使用しており、オリジナルは最近ではあまり見かけません。

ボレロがワイズテックグローバルに買収されたことで、仕組み的にeBLがより浸透していくのかもしれないと思います。

国際物流の業界では書類の管理が本当に多いです。

弊社でも書類が積み上がっており、書類は5年くらい保管しないといけません。

特にこの有価証券であるB/Lが重要のため、これがペーパーレス化になるということで、この動きが進んでいけば良いなと思います。