欧州も景気後退で需要伸びず?海上輸送はどうなるのか。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、Job.comの記事から、「欧州の景気後退の影響で、海上輸送の需要と運賃が下がる」についてお話していきたいと思います。

2023年1月10日イーノさんの物流ラジオ

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ヨーロッパの市況

今回はヨーロッパ方面についてのニュースをお伝えします。

2023年が始まり、アジア-ヨーロッパ航路の荷主は本船スペースが有り余り、スポット運賃が暴落するという、2022年初頭とは正反対の立場に立たされることになっています。

しかし、この「改善された」海運環境の背景には、欧州経済が不況に陥り、消費者が悪化する生活費危機と戦っているため、全くポジティブなことはありません。

高い在庫水準は、個人消費の低迷により、在庫削減が難しくなっており、少なくとも2023年の第1四半期までは、欧州の輸入量は減少することが予想されます。

2022年の振り返り

アジア-欧州間のスポット運賃は過去最高を記録し、船腹は非常に逼迫していたため、船社はすでに上昇していた運賃に数千ドルを上乗せしたスペース保証プレミアムを請求していました。

北欧の主要ハブ港は慢性的な混雑に見舞われ、利用可能な本船のスペースが事実上縮小し、荷主はより早く、より大量の輸入注文を、前倒しして発注しました。

過剰在庫とレート下落

このため、ヨーロッパ各地の倉庫はこの貨物で一杯となり、ピーク時には夏場以降、10月の中国の国慶節を前にした従来の需要の高まりは見られなくなりました。

2022年のレートは1月第1週にピークとなり、1年を通して順調に下落し、8月にはアジア・北ヨーロッパの長期契約レートを下回っていきました。

2023年はどうなるか?

北欧の港湾の混雑が緩和され、本船スペースが市場に放出され、暴走するインフレと欧州全体の不況が消費財の需要を押し下げると船社は船腹の供給過多を実感することになるだろうといわれています。

2022年を通じて運賃が下落する中でも非常に好調な四半期決算を発表した船社のCEOたちは、収益性を維持するため、積極的にスペースと需要をマッチングさせると主張しています。

船腹の削減

Sea-Intelligenceのデータによると、12月末までに、今年の最後の4ヶ月間で合計824,000 TEUの船腹が削減される予定とのことです。

この数字は、1ヶ月の貿易で利用可能なすべての船腹を削減したのとほぼ同義です。

既に、それだけ意図的に減らしていたのです。

2023年初めに施行される国際海事機関(IMO)の新たな環境規制の影響に備え、船社はより遅い航海を強いられ、一部は完全にスクラップされる可能性があります。

供給量をコントロールするということですね。

景気後退による需要減

ヨーロッパ向けも基本的には、インフレやエネルギー価格の高騰による景気後退で需要が減る見込みです。

北米と同じく過剰在庫がまだあるので、それを減らしていかないと輸送需要は伸びないでしょう。

船腹量コントロールによる影響

この記事には2022年9月から12月まで船会社が船腹量を既にコントロールしていたとありました。

船腹量をコントロールしても、価格は下がり続けたということで、影響は限定的だったのかもしれません。

北米だけでなく、欧州でも同じようなことが起こっています。

コロナが発生した2020年から世界で同時に巣篭もり需要が増え、港の混雑が世界中で起こっていたので、下がる時も同時に落ちていくようです。

今後も同行をチェックしていきたいと思います。