どうもこんにちは、飯野です。
本日は、5月24日付の海事新聞の記事から、「「船落ち」が一服。海上需給緩む、航空運賃下落も」についてお話していきたいと思います。
2022年5月24日イーノさんの物流ラジオ
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航空輸送へのシフト落ち着く
日本発の長距離輸送での、海上輸送から航空へのシフトが落ち着きつつあります。
中国でのロックダウンやウクライナ情勢を背景に、海上輸送のスペース需給が緩んでいます。
航空輸送需要はこれまで海上からのシフトである「船落ち」が下支えしていましたが、今後物量が減少すれば航空運賃の水準が軟化する可能性があります。
上海ロックダウンの影響
航空運賃も今は高止まりしています。現在の国際輸送のマーケットで大きく影響しているのは上海のロックダウンです。
現在は、生産活動停滞のほか厳格な行動制限で国際輸送や陸送が混乱しており、荷動きが減少しています。
これは海上輸送にも影響を及ぼしています。
大手フォワーダーでは、4月の上海発の海上輸出数量が封鎖前と比較して3割減になったところもあるとのことです。
またウクライナ情勢による欧州航路への影響も加わり、海上輸送ではスペース需給が緩んでいるほか、スポットレートも下落しています。
海上輸送に戻りはじめた貨物
航空貨物輸送では高い需要が続いていました。
ECや医療・医薬品輸送などに加わり、2020年秋ごろから始まった海上輸送のスペース・コンテナ不足により、航空貨物に緊急輸送需要があったのです。
それがここにきて、日本発米州、欧州向けで海上輸送に回帰する動きが拡大しています。
複数のフォワーダーから「当面はこの流れが続くのではないか」と予想する声が上がっています。
こうした動きはもともと海上輸送されていた自動車、建機関連などの大型貨物が対象となっています。
海上輸送のスペースが比較的取れるようになったことから、荷主は航空よりも運賃が安価な海上輸送に回帰する傾向にあるとのことです。
上海ロックダウン解除後は?
そして上海のロックダウンが解除されたらどうなるのでしょうか?6月1日からロックダウンが解除されます。
生産や物流は段階的に正常化に向かうとみられますが、解除後は需要に供給が追い付かず、海上・航空ともにスペースが逼迫すると予想されています。
NIPPON EXPRESSホールディングスの執行役員は5月19日の会見で、「滞留貨物が非常に増加しており、封鎖解除後に相当なリバウンドがある」との見方を示しています。
しかし、海上のスケジュール順守率が回復しないため、納期に余裕がない貨物については引き続き航空便が利用されるとみられています。
再びスペース不足か?
長期的には航空貨物市場で船落ちが減少していく可能性が高いと記事は報じています。
現時点の日本発の航空輸出量は、物量は高水準が続いているものの、4カ月連続で前年同月を下回るなど、減少傾向が続いていると記事は締めくくっています。
今は、海上輸送が落ち着いているので、航空も落ち着きつつあります。
記事では、複数のフォワーダーから「当面は日本発米州、欧州向けで海上輸送に回帰する動きが拡大」と予想する声が上がっていました。
僕個人の感想としては、現在の落ち着きは一時的なものだと思います。
記事にあったように、北米の労使交渉の影響もあり、ロックダウン後から徐々にスペースが取りにくくなっていくのではないでしょうか。
引き続き情報をアップデートしていきます。
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