どうもこんにちは、飯野です。
本日は、7月29日付海事新聞の記事から、「米西岸労使交渉、医療給付で暫定合意。妥結に向け前進したが、肝心の港は混雑悪化」についてお話していきたいと思います。
2022年7月29日イーノさんの物流ラジオ
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北米労使交渉、前進
2022年の米国西岸労使交渉は7月27日、医療給付の項目で暫定合意に至りました。
医療給付の分野だけではありますが、労使交渉の妥結に向けて大きな一歩となりました。
港湾への影響は
交渉の詳細は不明ですが、現時点では労使対立による荷役混乱は出ていない模様です。
ただ、旺盛なコンテナ荷動きにより、港の処理が追い付かず、西岸ターミナルで混雑が深刻化しています。
内陸向け輸送を担う鉄道会社も引き受け本数の制限を始め、予断を許さない状況です
今後の展開
今回の労使交渉の声明では、ILWUとPMAにとって最大の焦点である自動化問題については特に言及されていません。
米バイデン政権による働き掛けもあり、混乱なく労使合意に至るのではという見方が有力になりつつあります。
時期は不明ですが、8月か9月には暫定合意するのでは、という見方も出てきています。
前回2014年の労使交渉では、8月26日に健康保険給付金について暫定合意となり、そこからまた交渉が続き、最終的に合意に至ったのが、翌年の2月20日です。
まだまだどうなるかは分かりません。
ポイントは港の自動化と、ホワイトハウスがいつ入ってくるか、という点だと思います。
港湾混雑の傾向
米国西岸労使交渉は大きな波乱なく進んでいますが、肝心の港の混雑は再び悪化する傾向にあります。
北米西岸の一部ターミナルでは、今週までにヤードのコンテナ保管スペースがほぼ満杯となり、来週以降は本船の荷役を一時的に停止せざるを得ない状況にまで追い込まれています。
内陸部の混雑悪化
LA、LBの両港からの内陸向けのインターモーダル輸送では、鉄道の荷役場へのシャーシ不足のため、西岸港湾は実質的に内陸向けの輸送の制限を行っています。
北米内陸部では昨年、コンテナ貨物の大量流入により鉄道輸送の混雑状況が悪化しました。このためUP鉄道が、内陸向け国際コンテナ貨物の引き受けを一時的に停止した経緯があります。
現場から
現場で働いている感覚では、まだスペースは取りやすい状態が続いており、混雑の影響はそれほど感じられません。
このまま問題なくスムーズに行くのか、もしくは急にスペースが取れなくなるのか、運賃が再度上昇となるのか、引き続き目が離せない状況です。
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