どうもこんにちは、飯野です。
本日は6月6日付の海事新聞の記事から、「北米西岸港湾、労働組合側 ILWUが争議行動を開始」についてお話していきたいと思います。
2023年6月6日イーノさんの物流ラジオ
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北米西岸労使交渉、争議行動発生
北米西岸港湾でついに大規模な争議行動が発生しました。
西岸港湾に就航する船社やターミナルで構成するPMAは現地時間6月3日、「労働組合側のILWUが一致団結した行動を展開し、ロサンゼルス港とロングビーチ港にある複数のターミナルが事実上の操業停止に追い込まれた」と発表しました。
ターミナル停止の影響
西岸港湾の労使交渉は先月までに自動化など複数項目で合意に至るなど順調に進んでいたものの、一転して争議により労使の緊張が高まりました。
PMAによれば、LA・LB港以外にも、「オークランド港、タコマ港、シアトル港、ワイナメ港で同様の労働争議が発生し、ターミナルの操業が停止して深刻な影響を及ぼしている」とのことです。
現地からの報道では、6月2日の朝からLA・LB港にある複数のターミナルで朝のゲートオープンから数時間後にはトラックの搬出入受け入れが停止になったとされています。
オークランド港でも2日午前中に閉鎖となるなど混乱が生じています。
ILWUの主張
一方、ILWUは「労使交渉が決裂したという報道は誤り」との声明を発表しています。
そのうえで、「われわれ労働者はコロナ禍期間中、命を危険にさらしながら物流を維持してきた一方、海運業界は天文学的な利益を上げてきた」と述べ、「そうした組合員の英雄的努力を認めないような経済パッケージに妥協することはない」とコメントしています。
貨物量増加前の行動
今回の労使交渉が始まる前、コロナ禍でも働いていた労働組合側は、船会社側が多大な利益を上げているのが周知の事実のため、確実に交渉は難航するとされていました。
しかし、直近の港の自動化のテーマでの交渉がスムーズに行われており、不思議に感じていました。
この時期に行動することを狙っていたようにも感じます。
一般的に北米向けは、6月、7月、8月とピークシーズンサーチャージが加わるほど貨物量が増えます。
10月1日に中国の国慶節があり、それまでに中国の工場は貨物の製造を増やして出荷します。
さらに11月の第4週目の金曜日にブラックフライデーのセールやクリスマスホリデーに向けたセールもあります。
それまでに十分な在庫がないといけません。ここで貨物が安定的に輸送されなければ、大変な状況となります。
今後の予想
しかし、個人的にはタイミング的にちょっと早い感じもします。
労使交渉は2022年5月から開始し、1年強続いています。
北米の荷主はこういうこともあろうかと、西海岸だけでなく、東海岸やメキシコ湾岸に貨物を流してリスク回避をしようとしています。
今回のターミナルストップという強行策は、少し早いタイミングではないでしょうか。
もう少し後にずらし、作業のスローダウンやターミナルストップにする方が、交渉は有利になると思いますが、ここで抗議を開始し、政府介入して終わるタイミングかもしれないと、個人的には予想をしております。
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