B/Lの裏書きについて!
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どうもこんにちは、飯野です。
今日は海上貨物輸送において行われる「B/Lの裏書き」について説明します。
B/Lの裏書きとは何のことでしょうか?それはB/Lの裏に書く署名のことです。
弊社でも輸入側で実際に貨物を引き取ろうとしたときに、B/Lの裏に何も書かれておらず、慌ててB/Lの裏書きを手配することがあります。
今日はB/Lの裏書について、どのような時に裏書が必要か、誰の裏書が必要かなどについて詳しく解説をしていきます。
それではいってみましょう。
B/L=有価証券
まずB/Lとは船荷証券で、有価証券であるという事をご理解ください。
輸出者から輸入者へ貨物が輸送され、配達されるまでには船や飛行機で輸送されていきますが、その貨物の持ち主であると証明する書類がB/Lです。
そのB/Lは裏書きという署名をして輸出者から輸入者へ持ち主である権利が移ることになっています。
また輸入者がB/Lに裏書きをすることで、フォワーダーが輸入者の代理人として貨物を引き取ることができます。
それでは、B/Lの裏書きはどのようなものなのか。詳しく見ていきましょう。
B/Lの裏書きとは
B/Lは表面にシッパーやコンサイニーや貨物内容が記載されます。裏側は薄いグレー等の細かい活字がびっしり書いてあります。
そこには約款というB/Lを発行している船会社などとの運送契約が書かれています。
その約款の上に会社の社印を押し、その会社の方がサインをします。この会社名とサインが裏書きと言われるものです。
B/Lの裏の隅や印刷されていないほんの少しの余白のところに裏書きされているのを何度か見たことがありますが、約款の上にかかるように書いて問題ありません。
また、その約款が読めるように斜めに書くのが通常です。
誰の裏書きが必要か
裏書きがどんなものか分かったところで、次に誰の裏書きが必要かについて説明していきます。
まずここが注意です。B/Lの記載によって誰の裏書きが必要かが変わります。
B/Lには輸出者と輸入者の記載があります。
輸入者の名前や住所が記載されているものを記名式B/L(STRAIGHT B/L)といいます。
反対に輸入者の欄にTo orderやTo order Shipper などと具体的な名前が記載されていないものが指図式B/L (ORDER B/L)です。
この記名式B/Lと指図式B/Lでは裏書きを書く人が違ってきます。
記名式B/Lの場合
記名式B/Lでは輸出者、輸入者の名前が記載されています。
記名式B/Lが発行された場合は輸出者から輸入者へ直接B/Lが送られることが一般的です。
荷物が輸入地へ到着すれば、必然的に所有権は輸入者に移るため、輸出者のB/Lの裏書きは省略できるのです。
そして輸入者は貨物を引き取るときの証明として、B/Lの裏書きをします。
指図式B/Lの場合
一方で指図式B/Lでは輸入者の欄にTo orderやTo order of 〇〇(第三者)と書かれており、一見すると誰が輸入者か分かりません。
To Orderの指示者がB/Lの所有者を指示することで、次の所有者が誰かが分かるB/Lになっています。
この指図式B/Lの場合はConsignee欄にどう書かれているかが重要になってきます。
CongsigneeがTo orderまたはTo order of shipper であれば、まずはShipperの裏書きが必要です。
この場合は貨物の権利者であるShipperの次の権利者を指示する権利があるのですが、一般的にはShipperのサインだけを裏書きして、次の権利者を特定しない場合がほとんどです。
これをShipperの「白地裏書」と言います。
次に指図式B/Lには、To order of銀行や第三者の場合もあります。その場合は銀行や第三者の裏書きが必要です。銀行や第三者の裏書きさえあれば、Shipperのサインは必要ありません。
この場合は銀行や第三者が最終的な輸入者ではないでしょうから、銀行や第三者に加えて最終的な輸入者の裏書きが必要になります。
ここで注意点です。銀行や第三者は裏書きをするのですが、今までの裏書きに加えてもう一つ文言を付け加えます。
「To order of 実際の貨物の所有者、銀行や第三者の名前、サイン」となります。この裏書のことを「記名式裏書」と呼びます。
記名式裏書は、Consigneeに銀行や第三者が指定されている場合に行われ、その後最終的な輸入者の裏書きでB/Lの裏書が繋がることになります。
このB/Lの裏書きはL/C決済でよく行われるので覚えておきましょう。
WAYBILL、サレンダーB/Lの場合
これまでB/Lの裏書きについて説明しましたが、オリジナルB/Lがない状態であるWAYBILLやサレンダーB/Lについても補足しておきましょう。
原則的に言えば、WAYBILLは誰でも貨物が引き取れる状態ではあります。
ただ誰でも引き取れることが出来ないように船会社によっては、事前に輸入者の裏書きを登録しておいて、その裏書きがなければ引き取りの書類を渡さないようにしているところもあります。
またサレンダーでも同様で、B/Lは輸出地で回収するのですが輸入地でそのサレンダーB/Lのコピーに輸入者の裏書きをするように決めている会社もあります。
実務についてはB/Lを渡す時にフォワーダーに確認するようにした方が間違いありません。
まとめ
今回はB/Lの裏書きについて説明しました。
輸出者であれば、Consigneeが記名されていなければサインが必要です。そして輸入者であればどのB/Lでも裏書きが必要です。
オリジナルB/Lがあれば裏を確認し、サインが抜けていないかチェックすることでスムーズな輸出入の手配につながります。
今回は内容は以上になります。ありがとうございました。
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