Freight Prepaid, Freight Collectの違いについて!改訂版!
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どうもこんにちは、飯野です。
今回は国際輸送におけるFreight PrepaidとFreight Collectの違いについてです。以前にも同じ内容の動画を制作しましたが、別の表現でより分かりやすく解説をしていきたいと思います。
それではいってみましょう。
Freight Prepaid と Collect の違い
このFreight PrepaidとFreight Collectは貿易実務において非常に重要です。
貿易の仕事を始めたばかりの人はこの用語がB/LやAWBに記載をされていて、これは一体どういう意味なのか?と思うことがあるかもしれません。
またフォワーダーの立場だと、船会社や積み地側・揚げ地側フォワーダーとのコミュニケーションで頻繁に使う貿易用語の一つでもあります。
なぜこの用語が重要なのでしょうか?それはお金に関することだからです。
この貿易用語は英語から日本語に翻訳すると理解しやすいと思います。
まずFreight。これは運賃のことです。海上運賃をOcean Freight, 航空運賃をAir Freightと言います。
そしてPrepaid。これは先に支払うという意味ですね。
そしてCollect。これは直訳すれば回収ですよね。
この3つの単語から
Freight Prepaidは運賃を先に支払うこと
Freight Collectは運賃を回収すること
というのが理解できるでしょう。
インコタームズとの関係性
このFreight PrepaidやCollectはインコタームズとも関係があります。
インコタームズは貿易の取引条件のことで、誰が、どこからどこまでの輸送費用を支払うのかを明確にするものでした。
なので、
先に支払うFreight Prepaidは運賃を輸出側で支払うこと
回収するFreight Collectは運賃を輸入側で回収/支払うこと
になります。
一覧を見てみると分かりやすいと思います。
Freight Collectは輸入者が海上運賃を負担するEWXやFOBです。
そして、Freight Prepaidは輸出者が海上運賃を負担するCFR, CIF, DAP, DDPなどとなります。
インコタームズの解説については動画の説明欄にリンクを貼っておきますのでそちらをご覧ください。理解がより深まると思います。
House B/LとMaster B/L における記載
そしてこのFreight PrepaidやCollectはB/Lに記載されると先ほどお伝えしましたが、House B/LとMaster B/Lの両方にも記載されることになります。
House B/LとMaster B/Lを解説した動画のリンクも貼っておきますのでご確認下さい。
House B/LとMaster B/LのFreight PrepaidとCollectについてですが、ちょっと理解が難しいかもしれません。これから例をあげながらお伝えしていきます。
まずインコタームズはFOBとCFRで例をあげましょう。
FOBでは輸入者が海上運賃を支払います。
その時に一般的にはMaster B/LではFreight Collect、そしてHouse B/LでもFreight Collectと記載されます。
そして輸出者が海上運賃を支払うCFRの場合、一般的にはMaster B/LではFreight Prepaid、House B/LにもFreight Prepaidと記載されます。
ここまでは問題ないと思います。
House B/LとMaster B/L において記載が違うケース
しかし、Master B/LとHouse B/LのFreightが異なるケースがあります。例えば、MasterがPrepaid, HouseがCollectという感じです。
これはどういうケースで発生するのでしょうか?例をあげながら解説していきます。
Master B/LとHouse B/Lの2種類のB/Lが出てきますので、これはフォワーダーを介した取引になります。
フォワーダーは輸出側と輸入側に分かれて、共に協力をして貨物の輸送手配をして、「代金の支払いと回収」もします。ここがポイントです。
もう一度House B/LのFreight PrepaidとCollectについてお話しします。
EXW, FOBなら輸入者が運賃を支払うのでFreight Collect
CFR, DDPなどなら輸出者が運賃を支払うのでFreight Prepaid
となります。
そして次にMaster B/LでのFreight PrepaidとCollectについてです。これは輸出側と輸入側のどちらのフォワーダーが主体で船を手配するかが関係します。
これから輸出側のフォワーダーをA社、輸入側のフォワーダーをB社として説明をすすめていきましょう。
輸出側のフォワーダーA社が船会社(輸出側)にA社主体でBooking手配をすると、輸出側で運賃を支払うことになりますので、Master B/LはFreight Prepaidとなります。
一方で、輸入側のフォワーダーBが船会社(輸入側)にB社主体でBookingをすると、輸入側で運賃を支払うことになりますので、Master B/LはFreight Collectとなります。
ここまでの理解は大丈夫でしょうか?この条件を踏まえて実務でよくあるケースを説明します。
実際のケース
輸入側で取引が進められ、実際のShipper(輸出者)とConsignee(輸入者)の取引はFOBでHouse B/LはFreight Collectとなります。しかし輸入側のフォワーダーB社が船のスペースを取れないケースがあります。
この時に輸出側のフォワーダーA社が主体となって本船スペースを取り、輸入側のフォワーダーB社に協力するケースがあります。
輸出側が主体で船会社にBookingをしているのでMaster B/LはFreight Prepaidとなります。
このような場合にHouseはCollectだけれども、MasterはPrepaidというようになります。
実際にフォワーダー同士での取引でこのようなことは頻繁にあります。
例えば弊社でもインドや日本のフォワーダーから、タイからの輸出でインド・日本への本船スペース確保の問い合わせが多く、輸出側のフォワーダーである弊社主体でBookingをするのでMaster B/LはFreight Prepaidとなります。
そして先ほどご説明したように、このような海外からの問い合わせの場合、実際のShipper(輸出者)とConsignee(輸入者)の取引でのインコタームズはFOB (House B/L – Freight Collect)で、輸入者であるConsigneeが運賃を支払うケースが多いです。
Prepaidにおける信用問題
ここで問題なのは、輸出側のフォワーダーAは船会社にPrepaidで先に運賃を支払います。
そして実際の運賃は輸入者が輸入側のフォワーダーBに支払うので、その運賃がフォワーダーBからフォワーダーAにちゃんと送金されるか信用の問題になるのです。
初めて取引をする海外フォワーダーとの場合、ここの与信・代金回収がかなり重要なポイントとなります。
まとめ
今回ご説明したFreight Prepaid, Collectはお金に関することなので非常に重要な貿易用語です。
もしこの用語をしっかりと理解できていなければ、誰が運賃を支払うのかが良く分からないまま仕事を進めることになり、代金の回収リスクが常にあります。
この動画の内容を理解できるまで何度も見直して頂ければと思います。
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今回の内容は以上になります。ありがとうございました!
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