2021年11月物流ニュース
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2021年11月物流ニュース!

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どうもこんにちは飯野です。

今回は2021年11月の物流や海運に関するニュースをまとめました。

特に北米の物流ニュースを中心にまとめており、現在のサプライチェーンの乱れや、海上運賃の高騰など対して、私の見解を含めてお話をしていきたいと思います。

それでは、いってみましょう。

コンテナ運賃、正常化へ道のり遠く。最短で2023年中旬の見込み

デンマークの海事調査会社シーインテリジェンスが中国発のコンテナ船運賃動向を発表しました。

過去20年のデータを分析し、これまでの運賃上昇・下落の周期を当てはめると運賃正常化までは26ヶ月、最短で18ヶ月かかるとの見込みです。

今回の運賃上昇は過去のものより、上昇幅が大きく予想よりも更に時間を要する可能性もあるとみられています。

北米西岸港湾24時間稼働、機能せず。物流の停滞続く

クリスマスシーズンの繁忙期に向けて、北米LA,LBの港湾は9月から24時間体制で港湾混雑を解消すると発表されていましたが、夜間のコンテナ搬出は機能していない模様です。

港湾では一晩に25台以上のトラックの引き取り予約があれば夜間営業するとのことでした。しかし実際の予約件数は少なく、稼働することが出来たのは1晩だけだったと言われています。

夜間の稼働はトラックドライバー、シャーシ不足など問題、また予約の煩雑さなども絡まり、コンテナ搬出増加の要因にはなっておらず、物流の目詰まり解消に今のところ大きな効果が見えない模様です。

北米西岸港湾労働組合ILWU、労使協約 1年延長を拒否

北米港湾の労使協定が2022年6月末に期限を迎え、新たな協約の交渉が7月より始まる予定です。

現協定は2014年に締結。2017年に延長され、来年の更新時期が迫ります。2014年に締結された現協定は交渉が難航し、まとまるまで9ヶ月もの時間を要しました。

その間、北米西岸港湾の物流が滞り北米発着のサプライチェーンに大きな混乱を招く事態となりました。

そして、コロナによる現在の物流の目詰まりの問題を考慮して、港の使用者団体(PMA)は、北米西岸港湾労働組合(ILWU)に来年実施される交渉の1年延期を要請しました。

しかしILWUはその延期要請を拒否。

今回の労働協約では港のオートメーション化が議題に入っており、労働組合側の今後の労働条件に大きく影響を及ぼす案件であるため、締結には時間がかかることが予想されます。

北米西岸、滞留コンテナの超過保管料請求へ。荷主の負担増

北米西岸LA港、LB港では港に滞留するコンテナの早期引き出しを促す為に、11月15日より新たな規制として滞留コンテナに対して超過料金を請求する事となりました。

ターミナルの超過料金の計算はトラック搬出の場合、ターミナルに荷揚げされてから9日目、鉄道搬出の場合6日目から、コンテナ一本につき1日当たり100ドル請求されます。

1日目で100ドル、2日目で200ドル、3日目で300ドルと罰金が積み上がっていく形で、荷主にとっては大きな負担になることが予想されます。

この新しい規制が功を奏してか、11月1日時点では約28,000本の滞留コンテナが11月24日時点で約16,000本にまで約40%の減少。

物流の目詰まり解消に向けて少し兆しが見え始めました。

米国でコロナワクチン義務化に反対の動き。サプライチェーンにも影響か

アメリカでバイデン政権は来年1月から従業員100人以上の企業を対象に、ワクチン接種か週一回以上の検査をするよう義務づけるとしています。

それに対し、半数の州が憲法違反として訴えを起こしています。現在のアメリカのコロナ感染者は1日で約76,000人、2回目ワクチン接種率は58%です。

運送業界最大手UPSでは従業員50万人おり、一部従業員のみにワクチン接種を義務づけていますが、対象外の従業員も多くいます。

また米国内に100万人の従業員がいるアマゾンでは、ワクチン接種を義務づけていませんでした。サプライチェーンの乱れ解消には各企業における従業員の労働力も大きな要因となります。

解説コーナー

それでは今回のニュースを解説していきましょう。

現在のサプライチェーンの問題を考えると、ポイントは2つあると思います。

1つが海上運賃はいつになったら正常化するのか?
もう1つは、本船スペースに影響している物流の目詰まりはいつ解消するのか?

まず海上運賃の正常化についてはデンマークの調査会社によると、過去20年のデータを分析する限りでは、早くても2023年の中旬と発表がありました。

それくらい現在の運賃の高騰は大きなもので、来年2022年中に落ち着くものではないとしています。

そして来年の7月には北米西岸港湾の労使協約の再交渉があります。ILWU(港の労働組合)はPMA(港の使用団体)からの交渉1年延期要請を拒否します。

前回の交渉ではホワイトハウスが介入して、何とかまとまりましたが、9ヶ月という長い時間がかかりました。この期間の海上運賃はやはり上昇傾向にありました。

データとは別に来年はこのイベントがある為、2022年中に海上運賃の正常化の可能性は極めて低いと私個人的には考えております。

スケジュールとしては、2022年7月に交渉開始。10月1日に中国の国慶節。国慶節前には多くの貨物が中国から北米に向けて出荷されます。そうこうしている間に北米でクリスマス商戦の開始。

改めて北米西岸で物流の目詰まりが発生する可能性は高いのではないか?と思いませんか。

しかし、現在問題になっている物流の目詰まりは解消の兆しが見えています。

LA、LB港で導入した滞留コンテナに対しての罰金で、港の24時間稼働ではほとんど動かなかった荷主が、本気になって貨物を搬出させようとしていることが分かりました。

とはいえ、港でのコンテナ搬出が進んでも、内陸の鉄道ターミナルでの目詰まりや、工場や倉庫での積み下ろし作業員のマンパワーにも課題があると思います。

アメリカではワクチン接種は一定のところで止まり、現在でも1日あたり約7万人以上のコロナ感染者、約800人の死者がいます。ワクチンの義務化が進まない限り、マンパワーの確保が不確実なのも事実です。

このようにお伝えすると視聴者様に不安を煽ってしまうかもしれません。申し訳ございません。

しかし、現実をしっかりと見て、ご自身の頭で考えて予想を立て、どのように備えるのか、がビジネスをする上で大切なことだと思います。

引き続き、このチャンネルでは情報を発信していきますので、チャンネル登録や高評価、コメントなどを頂けますと嬉しいです。

現場からは以上でーす!ありがとうございました。


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飯野飯野

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