北米、トラック・倉庫業で雇用が減少傾向!内陸は目詰まり続く。

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、ウォールストリートジャーナルの記事から、「2022年5月、北米の物流業界で雇用が減少」についてお話していきたいと思います。

2022年6月8日イーノさんの物流ラジオ

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運輸業界の雇用減少

北米のコロナ禍以降、需要が衰え、消費者の支出がモノからサービスへとシフトしている兆候が見られます。

サプライチェーンの最前線にいる企業は5月に雇用を引き下げています。

先週金曜日のアメリカの雇用統計(速報値)によると、5月にトラック運送会社、倉庫会社、宅配便会社は、合わせて32,900人の雇用を増やしましたが、4月の44,700人を下回る結果となりました。

運輸業界の雇用が減少傾向にあります。

5月の雇用統計ではアメリカ全体では39万人増えたにもかかわらず、運輸業での雇用は減少しています。

2021年の特需

2021年のコロナ禍では、トラック運送業と倉庫業は雇用が拡大していました。

需要が伸び、倉庫業者も賃金をあげて労働者の獲得合戦があり、トラック運送会社は過去1年間で70,000人以上雇用を増加させました。

独立しているトラック運転手が大手のトラック会社に就職するケースも出てきているほど、トラック運送会社が初任給の引き上げや契約ボーナスなどの採用活動で成功を収めていたのです。

そして倉庫関係の会社は、賃金が急速に上昇し、労働者の雇用と維持のための厳しい競争の労働市場にもかかわらず、過去1年間で17万6700人の雇用を増加させたとのことです。

オンライン販売の後退

過去1年間で物流業界の雇用はとにかく増えました。

しかし、物流市場における雇用と労働者獲得競争の多くを牽引してきた物流大手のAmazon.comは最近、物流センターと配送業務のネットワークの積極的な拡大を一時停止すると発表しました。

こういう動きもあり、米国で記録的な雇用が続く中、エコノミストは波が変わる可能性があるという兆候に注目しています。

とあるデータによると、eコマースの注文を家庭や企業に届ける荷物運搬業者を含む宅配便・メッセンジャー会社は、4月は約1万5000人の雇用増でしたが、5月に1,900人だけとなりました。

最近では、消費者が店舗に戻ってきているようで、アマゾンを含む大手小売業者のオンライン販売の伸びは、歴史的な高水準から後退していると報告されています。

しかし、求人情報サイトIndeed.comの北米担当経済調査ディレクターは、この変化は物流業界の雇用に大きな変化をもたらしてはおらず、「運輸と倉庫業は引き続き好調である」と述べています。

目詰まりが続く内陸輸送

雇用統計では物流業界の雇用は5月に減少したというデータがあり、Amazonも採用を控えています。

コロナも明けて店舗に人が戻ってきているので、トラック輸送の採用が落ち着いているのかもしれません。

しかし、北米の内陸では物流の目詰まりがあります。

港からコンテナを早く取り出すようにしていますが、内陸に移動しただけで、内陸ではまだ混雑が続いているという情報もあります。

懸念材料

まだ内陸の物流が解消していないのに、トラックや倉庫の人材が増えないのは大丈夫なのか?と考えます。

トラックは部品不足もあり、トラック自体の生産が減っているというのもあります。北米の商品の需要は、インフレ、利上げ、住宅の買い控えなどもあり、落ち着いていくかもしれません。

しかし、まだ目詰まりがあるにも関わらず、トラックや倉庫の人材が増えずとも目詰まりは解消していくのか?

それだけ消費はサービスに移ったのか?

去年に比べると人材は増えていますが、現時点での労働力で十分なのかどうか?

引き続き北米のトラック・倉庫の労働力にも注目をしていきたいと思う。