水素燃料のバージ船、欧州でデビュー!

どうもこんにちは、飯野です。

本日はJOCの記事より、「水素燃料のバージ船、欧州の内航船輸送でデビュー」についてお話していきたいと思います。

2023年6月2日イーノさんの物流ラジオ

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水素燃料のバージ船、公開

ロッテルダムで初の水素エンジン搭載のゼロエミッション内航船が就航し、ハブ港と内陸部のターミナルを結ぶ運航を開始しました。

ゼロエミッション船会社のFuture Proof Shipping(FPS)は、今週初めにベルギーにあるナイキの欧州物流キャンパスでこの船を公開した後にゼロエミッション船のH2 Barge 1を就航しました。

ナイキの契約

ナイキは、ゼロエミッション輸送への取り組みを加速させることを目的とし、この水素バージ船をチャーター契約しています。

同社のヨーロッパ、中東、アフリカ地域のオペレーション & ロジスティクスのvice presidentは「H2 Barge 1は、当社が物流と輸送の分野で持続可能な進歩に投資している重要な例である」と述べています。

水素燃料バージ船について

このバージ船のコンテナ容量は明らかにされていませんが、FPS社は、ロッテルダムとBCTN社の内陸ターミナル間を「週に数回」航行することにより、年間2,000トンのCO2を削減することができると主張しています。

FPSのCEOは、水素で動くバージ船は「海運の未来にとって極めて重要である」と述べています。

水素燃料

水素は、エネルギー密度が従来の船舶用燃料の半分であるため、貯蔵タンクを大きくしなければならず、貨物の積載量が減ってしまうため、長距離航路では現在のところ実現不可能です。

しかし、小型の船舶で短時間の航海をする場合には有効です。

SDGsへの意識

先日、大手の外資フォワーダーのグローバルアカウントの方とお話をさせて頂き、今、日本の大手荷主で意識されていることは、SDGsとのことでした。

大手企業は値段も重要視しますが、環境に対しても何かしらの対応をしないといけません。

特にヨーロッパ向けの場合、カーボンプライシングといった、炭素税やEU-ETSでCO2の排出量取引もあり、脱炭素の取り組みが重要なマーケットとなっています。

代替燃料候補

今回の記事では水素エンジンのバージ船が登場しました。まだまだ水素燃料の実現というのは、技術的に開発中です。

一方、アンモニア燃料は水素より早く市場に入ってく可能性があります。

アンモニアは既に肥料用途で輸送・貯蔵の実績があり、エンジン開発が進められています。

このような脱炭素エネルギーの中で、開発が早いのがメタノールやLNGです。

今日の海事新聞でも、メタノールがカーボンニュートラルに向けて即導入可能な燃料だと報じられていました。

メタノールは従来の重油に比べて10-15%ほどのCO2削減が可能で、マースクはメタノール船を多く発注しています。

よって、SDGsを気にする大手荷主が脱炭素という点でマースクを積極的に選ぶ可能性は高いでしょう。

とはいえ、技術はどんどん進んでいるので、今回の水素バージ船デビューのように水素コンテナ船やアンモニアコンテナ船の実現が近づいてきているのかもしれません。