どうもこんにちは、飯野です。
本日は4月18日付の海事新聞の記事から、「北米航路のコンテナ運賃値上げ成功、需給引き締まるも船腹余剰感強く」についてお話していきたいと思います。
2023年4月19日イーノさんの物流ラジオ
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北米航路、スポット運賃値上げ
コンテナ船社が4月15日付で計画していたアジア発北米向けコンテナ運賃(スポット)値上げは、ひとまず成功した模様です。
運賃軟化の可能性あり
上海航運交易所(SSE)がまとめた4月14日付の上海発北米西岸向けコンテナ運賃は、40フィートコンテナ当たり1,668ドルとなり、前週に比べて400ドル弱の値上がりとなりました。
これまでの減便策などが寄与し、需給が引き締まり、中国では貨物のロールオーバー(積み残し)も出ています。
ただし、全体的に船腹の余剰感は強いほか、新造船もこれから続々と竣工するため、再び軟化する可能性もありそうです。
輸送需要、上がらず
ひとまず値上げは成功したものの、肝心の輸送需要はそれほど振るいません。
アジア発米国向けコンテナ貨物量は2―3月、2カ月連続で120万TEU半ばになりました。
1月の150万TEUに比べ、30万TEUも少ないほか、需要がピークだった2022年5月の199万TEUに比べても、80万TEUも低い水準となりました。
北米の在庫は
また、米国の2月小売在庫は高水準となっているほか、3月の小売売上高も前月比減と、在庫解消はあまり進んでいません。
足元の市況は減便による船腹削減効果で反転したものの、過剰在庫解消は不可欠であり、一定程度の時間がかかる見通しです。
その他航路の運賃状況
一方で、北欧州・地中海向けは横ばい、北欧州向けは20フィートコンテナ当たり871ドル、地中海向けは1,618ドル。
南米東岸向けは前週比約200ドル上昇し、20フィートコンテナ当たり2,005ドル。
中近東向けも1,221ドルで値上がり傾向にあります。
ただし、船腹余剰感や新造船の竣工が今後の運賃に影響を与える可能性があるため、業界全体で引き続き注意が必要です。
コンテナ運賃の下げ止まり
今回は日本での北米向けSC交渉ではなく、スポット運賃の話です。スポット運賃が下げ止まり、値上げをすることが出来ました。
記事にもあるように、北米の貨物需要の低迷と新造船の竣工ラッシュから、2023年はスポット運賃がどんどん下がり続けるという見通しがありました。
4月15日時点で、船会社は船を稼働させないなど、供給をコントロールし、ロールオーバーも発生しました。
スペースがガラガラという状況ではないようです。
コロナ前には戻らず
とはいえ、お客様から聞いている限りでは、タイから日本向けの入札運賃は、相当安いものが出ているようです。
これは企業によりけりで、一概になんともいえませんが、船会社が中長期的に貨物を集めようとしているのは事実のようです。
アジア初北米西岸向けの40フィートドライがUSD 1,600となり、コロナ前の激安運賃まではいきません。
これくらいの価格が最低限となり、インフラとして安定供給が続けば良いと思います。
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