どうもこんにちは、飯野です。
今日は日経新聞からのニュースから、「北米からの空コンテナの需要がすごい」というテーマについてお話していきたいと思います。
2022年1月6日イーノさんの物流ラジオ
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空コンテナ不足
コロナの物流混乱により、米国に製品を運んでから、中国にコンテナがなかなか戻ってこない状態です。
ある船会社の担当者によると、「とにかく空箱(空コンテナ)を中国に優先的に持ち帰りたい」とのことです。
一般的には輸送効率を上げるために行きと帰りで、貨物を乗せますが、今は違います。
ロサンゼルス港の統計で、空コンテナの輸出は、2019年 コロナ前は61%、2020年通期で65%、そして今年、2021年1~10月は76%にまで上がっています。
米国からの輸出量は輸入量より少ないとはいえ、今は76%が空コンテナを輸出しています。
空コンテナは中国の港に到着後、すぐに貨物を積み込んで輸送用コンテナとして使えます。一方、米国からの貨物入りのコンテナは、中身を空にする分の日数が必要となります。
例えば、輸入通関後、貨物を輸入者に届け、港に戻し、コンテナのクリーニングを、場合によっては修繕が必要なときもあります。
また、荷主がすぐに引き取りに来るとは限らず、フリータイムいっぱい使う可能性もあります。
「ドル箱航路」の中国ー北米
なぜ空コン率を76%にしてまで急ぐのかというと、中国 – 北米航路が「ドル箱航路」だからです。
記事にある情報で紹介しますと、北米航路では20フィートコンテナ換算で1万個以上積めるものが主流で、日本海事センターの上海発ロサンゼルス向けのスポット運賃USD 9,000/20’前後です。
実際は北米航路のおよそ半数は1年単位のコントラクトレート、長期契約をしているので、正確な数字ではありません。
しかし仮に、全てのコンテナにスポット運賃の場合、片道で9,000万ドル(約100億円)を稼ぎ出すドル箱航路ということになります。
逆に、10月のロサンゼルス発上海向けの運賃はUSD1,710/40’で、前年同月比の2倍高くなっています。
この高騰は空コンが貨物入りコンテナよりも優先されており、限られた予約枠に荷物が集中したためです。
船会社としてはできうる限り早く空のコンテナを戻し、中国から北米に向けて出したい、と凄いことが起こっている感じがします。
日本向けサービス減少
このシワ寄せが日本にも来ています。
拓殖大学の松田教授曰く、「日本は冷凍食品や食肉、大豆といった食料品の比率が高く、品不足や商品の値上げに直結しやすい。」とのことです。
また、食肉大手の担当役員も「肉が日本に届かない」とため息をついています。更に、ある船会社の担当者曰く、「日本に船を寄せてしまうと時間とコストの無駄だという意見がある」としています。
そのため、日本への寄港をスキップして次の港に向かってしまうケースがあります。
タイでは、日本向けのサービスをやめる船会社もあるほどです。
記事ではコロナ禍で進んだドル箱航路優先の動きは、日本の日常生活にじりじりと影響を広げそうだ。と締めくくっています。
私自身、肌感覚でタイからもスペースを取るのが厳しくなり、それ程コンテナやスペースが中国優先になっていると感じます。
コロナのオミクロン株の影響というより、北米の景気、港・内陸での目詰まり、シャーシ不足、ドライバー不足、労働者不足、ワクチン接種が関係していると思います。
これらに関しては、引き続き関連情報を更新していきます。
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