どうもこんにちは、飯野です。
本日は、WSJの記事から、「CMA CGM、米国東西の港湾を買収!港湾経営を活かした物流戦略」についてお話していきたいと思います。
2022年12月21日イーノさんの物流ラジオ
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CMACGM、東西の港湾買収
フランスの船会社CMA CGMは今年初め、ロサンゼルス港の最大級ターミナルのパートナーの持株分を買い取り、今月はニューヨーク港とニュージャージー港の2つのターミナルを買収すると発表しました。
CMA CGMは米国の港にあるコンテナターミナルを所有することは、海運事業から内陸の物流事業に拡大するための、次のステップだと考えています。
世界第3位の輸送能力を誇るCMA CGMは、数十億ドルを投じて西海岸と東海岸の最も交通量の多い2つのゲートウェイで貨物処理の施設を購入・改良し、コンテナの流れを速め、サプライチェーンの効率化と拡大への障壁を取り除こうとしています。
CMA CGMは、物流事業の買収や航空貨物サービスの立ち上げに数十億ドルを投じており、今回の買収もその一環です。
デジタル化によってより早い対応が必要
CMA CGMは、デジタルツールによって、予約やその他の物流に関する決定をより多く担うようになり、より速い情報の流れに対応しなければいけません。
港湾での貨物輸送などの物理的なオペレーションに圧力がかかるため、貨物量の変動がより頻繁に起こるようになると予想しています。
CMA-CGMの取締役副社長は、「私たちは、ピークとローが連続する非常に短いサイクルに対処しなければならず、インフラの容量は、対処できる弾力性を持つ必要があるでしょう」と述べています。
今後はデジタル化をはじめ、いろんな要因で貨物量が上がったり下がったりし、一定ではありません。
よって、自社でターミナルを運営してインフラ設備に投資をしています。
港湾の自動化
近年、世界中の港湾は、Covid-19の大流行やウクライナの戦争が国際的なサプライチェーンを混乱させたため、コンテナ量の落ち込みや急増に対応するのに苦労しています。
ロサンゼルスやニューヨーク・ニュージャージーなど、米国の多くのゲートウェイは都市にへばりつき、拡張する余地がほとんどありません。
ターミナル運営会社の中には、自動コンテナ処理装置を追加して効率化を図るところもありますが、港湾労働者の組合は自動化に猛反発しています。
北米の港湾労働組合は強いので、CMA-CGMは自社でやろうとしています。
船社による港湾所有・投資
CMA CGMは現在、米国の7つの港湾ターミナルと、28カ国にわたる世界の52のターミナルを所有または投資しています。
他の船会社も同様です。
デンマークの輸送会社A.P. Moller-Maersk A/Sの子会社であるAPMターミナルは、世界中で67のターミナルを運営しています。
中国のCosco Shipping Portsは、国営のCosco Shipping Linesによる拡張と連動して、世界中でターミナル事業を拡大しています。
船社が保有するメリット
海運業界の専門家によると、船会社がターミナルを所有することで、ターミナルの運営方法や運営時期を指示することができ、船社の効率、顧客サービス、海運収入全体を向上させることができるとのことです。
同じくCMAの取締役副社長は、ニューヨークのヤードでのコンテナの保管と移動を改善し、既存の自動化装置を改善すれば、その能力をおよそ2倍にすることができると述べています。
コロナ渦の教訓を活かして
コロナ禍では港湾の非効率性を浮き彫りになりました。
米国内のターミナルは海外から殺到するコンテナの処理に苦労し、沖合での船舶の大きなバックアップを誘発し、輸出入業者は不満を募らせました。
そうならない為にも大きく収益を上げた船会社が、北米の西と東のターミナルを買収するという話です。
今後の港湾の変化
CMA CGMとマースクは船だけでなく、トータルロジスティクスに戦略を振っています。
世界中の港、更に貨物量も多くてややこしい北米の港も抑えにいっています。
港湾での作業効率が抜群にアップするかもしれません。
例えば、北米の他のターミナルは自動化が遅れてしまって、作業遅く、ストライキなども起きています。
そうであればCMACGMを使って、早くて安定的な輸送ができるという選択肢をとり、安定的で作業スピードが早い港に貨物が集まるかもしれません。
そうなると北米の他のターミナルも自動化への圧力が強まるかもしれないと個人的には考えています。
これは面白い流れかなと思います。船会社の投資の情報には目が離せません。
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