どうもこんにちは、飯野です。
今日は「中国の上海港と寧波港で沖まちコンテナ船が154隻」というテーマでお話をしていきたいと思います。
現在、北米西岸のロサンゼルス港とロングビーチ港の沖まちが60〜70船と話題になっていますが、上海港と寧波港ではその倍の154隻が9月末時点で確認されました。
更に中国全土の港では242隻のコンテナ船が沖まちしている状態です。
2021年10月8日 イーノさんの物流ラジオ
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中国の港で深刻な混雑が発生している理由
なぜこのようなことが発生しているのか?要因をそれぞれ解説していきます。
まず9月に寧波のターミナルが閉鎖され荷役のオペレーション能力が下がったことと、更に台風の影響で港で積み下ろしが出来なくなっただけでなく、船のスケジュールに大幅な遅延が生じたからです。
これらにつきましては過去のラジオにて詳しくご説明をしています。
2021年 台風14号!上海港、浦東空港(PVG)でサプライチェーンに影響。
中国-北米航路 ループ数の増加
他には中国から北米航路のループ数が増えていることが考えられます。
中国-北米航路便数
2021年1月:48隻
2021年9月:68隻
何と半年間で約40%も増便しています。
船会社としてはこのドル箱の航路に船を追加で投入してきます。既存プレイヤーだけでなく、新規参入してきた船会社もあります。
本船の小型化による効率悪化
そして投入された船のサイズは従来のものより少し小型なのも特徴です。これまでの船の平均サイズは8,601TEUから7,125TEUほどで、約1,500TEU分のコンテナボリュームの差があります。
また船の接岸には時間がかかります。船がこのように小型化することで積載効率が悪くなり、使用する船が増加、そして港の混雑を引き起こしました。
中国で水先案内人が不足
更に船の小型化に加えて、中国の水先案内人の不足も原因の一つでしょう。水先案内人とは船を港に接岸させる為の専門職です。
タグボートをコンテナ船上から操り、安全に・確実に港に接岸するのが彼らの役割なのですが、中国ではコロナの検疫強化を理由に水先案内人の業務後に14日間の隔離を実施しています。
スペース不足の原因
このように北米の港だけでなく、中国の港でも混雑状況がヒドいとなると、これまでのスペース不足には納得出来ます。
これまでは北米の消費需要の高まりにより、北米の港と内陸で物流の目詰まりが発生していると思っていましたが、中国でも目詰まりが発生していたのです。
需給バランスの均衡 – エアーに需要が傾くか?
現在、中国は電力不足で生産活動に制限がかかっていますが、本船スペースの供給にも制限があることから、ある意味で受給バランスは取れているのかなとも思います。
しかし北米のクリスマスセールに向けて貨物の出荷は必要となりますので、個人的にはエアーの需要がこれから高まると思います。
様々な要因が重なり市況を予測するのは難しいですが、引き続き情報を発信していきます。
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