どうもこんにちは、飯野です。
本日は、1月6日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船腹量 MSC 1年で約8%増。マースク微減、戦略に差」についてお話して行きたいと思います。
2023年1月6日イーノさんの物流ラジオ
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MSCとマースクのコンテナ船腹量
アルファライナーの2023年1月1日時点の調べによると、昨年初めに世界最大のコンテナ船社となったスイス船社MSCは、その後も中古の船を積極的に購入し、2022年初めから船腹量を約8%拡大しました。
2Mのアライアンスパートナーで、船腹量2位のデンマーク船社マースクの船隊は対照的に微減しています。
マースクはM&Aなどロジスティクス分野への投資を継続しており、戦略の差が数字にはっきりと現れた形となりました。
その他船社の船腹量
アルファライナーがまとめた1月1日付の船腹量のランキングが紙面にはありますが、注目ポイントだけ紹介していきましょう。
前年同期比でまず船腹量がアップした船社
MSC:7.5%アップ
CMA CGM:7.1%アップ
エバーグリーン:12.5%アップ
イスラエルのZIM:29%アップ
シンガポールのPIL:11.4%アップ
そしてダウンした船社
マースク:1.4%ダウン
COSCO:2.1ダウン
ONE:0.8%ダウン
MSC、中古船大規模購入
MSCは2021年、コンテナ船市況の高騰を取り込むべく中古の船を大規模に購入し、1年で船隊を41万TEU超拡大し、マースクを抜いて世界最大のコンテナ船社となりました。
続く2022年も中古船の購入の勢いを落とすことなく32万TEU超の船隊を拡大しました。
1月1日時点では、MSCは合計約460万TEU、2位のマースクは約420万TEUとなり、2022年の年初から差が開いたという感じがします。
そしてMSCの2023年に竣工予定の船は2万TEU超のメガマックス型14隻、1万4000TEU前後のネオパナマックス型22隻と、当面世界最大のコンテナ船社が交代することはなさそうとのことです。
船腹量のアップ
MSCとマースクの戦略の違いが明確に出たのと同時に他の船会社のアップがすごく気になります。
イスラエルのZIMは29%アップ、その他、エバーグリーン、PILもかなりの量をアップしています。ダウンしている船会社もありますが、微減ですね。
昨日の放送では2023年末には作対比で4.5%増とお伝えしましたが、ランクが低めの船会社の船腹量がかなりアップした印象があります。
MSCは母数が大きいため、8%アップはかなり大きく、またCMAも7.1%アップしています。
船腹量アップの影響は
今回、船腹量を大幅にアップしていた船会社がどのようにしてくるのでしょうか?
貨物量は景気後退もあって全体的に減る見通しがあります。
無理に値下げをして、他の船社の貨物を取りに来るのか、また市場が荒れてしまうかどうかが個人的には心配です。
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