どうもこんにちは、飯野です。
本日はウォールストリートジャーナルの記事から、「北米企業は在庫問題の中、サプライチェーンコストの上昇に直面している」についてお話していきたいと思います。
2022年6月23日イーノさんの物流ラジオ
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物流コストの上昇
北米の企業が消費者需要に対応するために努力した結果、2021年の物流コストは約1兆8500億ドルで22%上昇した、と新しいレポートが発表されました。
これは国全体の経済生産の8%を占め、GDPに対する物流支出の割合は2008年以来最高となりました。
貨物業界の専門家によると、北米での物流混乱が続き、インフレが上昇する中、企業はサプライチェーンをリセットし、在庫を再構築しようとしているということです。
更に、新たな物流コストの上昇に直面しているとしています。
在庫コストの上昇
具体的にあがったコストとは在庫コストで、2020年に比べて約26%跳ね上がっています。
在庫は企業がサプライチェーンの混乱に対応するためのものでした。
中国やアジアに注文してから届くまでのリードタイムの長さや、小売業者やメーカーが需要とかけ離れた商品を抱えることになった事や、納期の遅れが原因です。
以前は中国に発注して、届くまでが安定していたため在庫コストはそこまで高くはありませんでした。
しかしコロナ禍では注文しても全然届かず、欠品させるわけにはいかず、また遅れて届いたものは需要がありません。
特にアパレルのシーズンものなどは需要がなくなります。
個人消費の変化
経営コンサルティング会社の方いわく、「今年は物流コストの上昇が多少緩和されると予想しているが、昨年の非常に高い水準から緩和されるだろう」と述べています。
また、物流の原動力となる個人消費は、ここ数カ月で再び大きく変化しています。
部屋着、家具、ホームセンターなどのカテゴリーを犠牲にし、燃料、旅行、仕事着といったものに、より多く支出するようになったのです。
よりサービスにお金を使うようになってきています。
今年の消費者支出を4.2%増加すると予測されていますが、その構成は変わりつつあり、「耐久財のカテゴリーは逆風に直面している」と指摘する声もあります。
中古住宅の大幅な販売減
例えば、日経新聞のニュースで、5月の北米の中古住宅販売件数は541万戸となり、前月から3.4%減り4カ月連続の減少と報じられました。
コロナ禍の販売減に見舞われていた2020年6月以来の低水準となりました。
在庫が少ないなかで価格は上がり続けており、ローン金利の上昇と合わせて住宅を購入しにくい状況に拍車がかかっています。
北米では現在、金利が高く、中古住宅の在庫も少ないため、必然的に価格が高くなります。中古住宅が売れなければ、家具などの住宅周辺商品が売れません。
「耐久財のカテゴリーは逆風に直面している」とはこういうことです。
各社の対応
ターゲット社は今月初め、過剰な在庫を一掃するため、海外の業者への発注を取り消し、顧客に割引を提供すると発表しました。
ギャップ社、コールズ社、メイシーズ社など他の大手小売業者も、手元に間違った商品が多すぎることを報告しています。
ある貨物ブローカーの会社は12月にロサンゼルス港とロングビーチ港の倉庫でハロウィーン・コスチュームを荷揚げしていたとのことです。
「在庫ではあるが、明らかに適正在庫ではない」と記事が締め括られています。
ターゲット社の様に、業者への発注を取り消すと、仕入れは減ります。特に耐久財、自動車、家電製品、パソコン、家具などの仕入れは減るでしょう。
全体的に輸送ボリュームは減り、港湾や国内での目詰まりとどう連動していくのかが注目です。
今後も北米国内の動きをアップデートしていきます。
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